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調査資料:【エリュシオン公爵令嬢断罪事件に関する再聴取記録】1

記録番号:001

日時: 聖教暦418年 2月22日

場所: 王都外縁部、某宿屋にて

協力者: ▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓▓(事件当時、エリュシオン公爵令嬢と同級、同じSクラスに在籍)



【確認内容】


エリュシオン公爵令嬢について:


「正直なところ、あまり印象に残っていない。彼女は次期王妃としての教育を優先しており、特別に授業を免除されていた。教室に席はあったが、姿を見かけることは稀だった」


「数少ない目撃例といえば、昼食時に王太子殿下と並んでおられる姿や、中庭で語らっている姿くらいだろうか。成績は常に学年首位に近い聡明さだったと記憶している。世間で言われているような『ヒステリックで凶暴な悪女』という姿は、少なくとも校内では一度も見たことがない」



マリアン伯爵令嬢について:


「特待生として首席入学した秀才。生徒会でも非常に精力的に活動し、目立っていた。愛らしい容姿で人気もあり、常に華やかな上位貴族の子弟たちに囲まれていた」


「ただ、今思えば少し『唯我独尊』な面があったかもしれない。自分の意見が通るまで折れない強引さがあった。……彼女がエリュシオン様に苛められていると泣いている姿を見た、という噂はよく耳にしたが、アレクサンダー様の婚約者に収まったと聞いて『ああ、やっぱりな』と妙に納得してしまった」



【特記事項】


 ほぼ教室にいなかった人間が、どうやって執拗にいじめを行えたのか? 公爵令嬢が授業を抜け出して伯爵令嬢を追い回していたとでも言うのか。



———



記録番号:002

日時: 聖教暦418年 2月24日

場所: 地方都市、某酒場にて

協力者: ▓▓▓▓▓▓▓▓(事件当時、生徒会執行部に所属)



【確認内容】


エリュシオン公爵令嬢について:


「学年もクラスも異なったため、直接の面識はほとんどない。ただ、アレクサンダー殿下はよく彼女の愚痴をこぼしていた。『冷たい女だ』『義務感だけで横にいる、好ましくない人物だ』と。……周囲はそれを聞いて、公爵令嬢に同情するどころか、殿下を毒する悪女であると思い込んでしまった節がある」



マリアン伯爵令嬢について:


「……あまり好きではなかった。これはあくまで私個人の感想だが。世間で言われる『聖女』という言葉には違和感しかない。彼女は、自分こそが世界の『主人公』であり、他人は自分の物語を彩る『脇役』程度にしか思っていないような、特異な万能感に溢れていた」


「彼女はよく泣いていた。制服を切り裂かれた、水を被せられた、教科書を隠された……。そのたびに殿下や側近たちは激昂していたが、不思議なことに、エリュシオン様本人はおろか、その『取り巻き』とやらが苛めを行っている現場を直接見たという者に会ったことがない」



【特記事項】


 現場を見た者がいないのに、なぜ断罪は成立した?

 誰かが嘘をついているのか、あるいは全ては作り上げられたものなのか……。




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