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田中 ― One-Cut-Story ―  作者: MMPP.Key-_-bou
1cp

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6cs 「チューあるいはキス」

 玄関前、ドアの前で立ち止まる。

 一日中、街を歩き回り、映画を見て、カフェで笑った。手に汗を握りっぱなしだった。話す勇気も出せず、ただ笑って過ごした時間が頭の中で巻き戻る。


「……じゃあ、またね」

 手はつないだまま、少し震える声。返す声も同じくらい震えているのがわかる。胸の奥がじんわり熱くなる。


「あの……」

「えっと……」

「うん」

「……」


 息を吸った瞬間、心臓が耳の奥でドクドク鳴るのを感じる。言葉と勇気が一緒に押し寄せ、唇が触れる――短く、でも確かな衝撃。ほんの少し歯があたって、体がびくっと跳ねる。手は自然にぎゅっと握りしめあう。


 目を開けると、互いに顔が赤く、笑みがこぼれる。視界の端がほんのりぼやけるくらい、頬が熱く、胸はまだドクドクと拍を打つ。息をするのを一瞬忘れていたことに気づく。

「……じゃ、じゃあ!」

 まともに顔が見れず、振り返らずに走り出す。後ろで小さく揺れる。


 背中に残る熱、手に残る温もり、唇に残る触れ合い。

 玄関の前、小さな影が見守る。


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