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32cs 「道行く人々」
歩道に人があふれ、足音が波のように重なる。
鞄をかかえ、手を振る人。
靴を擦る人。
笑い、叫ぶ。
ふと誰かが曲がり、声がこだまする。
角を曲がる瞬間、声がもれる。
「あぁ!」
笑い声。
手を振る子ども。
犬が吠え、自転車のベルが響く。
がやがや、ざわざわ。
人々が慌ただしく動く。
スマホを見つめる手がぶつかり、「ごめん!」と誰かがつぶやく。
親が子どもを抑え、学生は走り、笑いと挨拶が入り混じる。
人々が街をつらなる。
ベビーカーがすべり抜け、荷物を抱えた人が階段を上る。
グループが笑い、話し声が交差する。
ふと振り返った人がまた歩き出す。
ざわめきが通りに広がる。
商店街の呼び込みが声を張る。
老人が腕を組み、スーツの人が慌てる。
赤ちゃんを抱いた親が歩き、犬連れがすれ違い、子どもが笑う。
歓声が遠くで響く。
風で舞うチラシ、紙袋の擦れる音。
声が漏れ、笑いが響き、呼びかけ、反応、動作、感情が渦を巻く。
町の通り全体が、今日だけのざわめきで染め上げられる。
ざわめきの中でも、人は歩き続ける。




