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田中 ― One-Cut-Story ―  作者: MMPP.Key-_-bou
1cp

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2cs 「親友」

 踏切の前で、遮断機が下りる音だけがやけに大きかった。

 きっかけは些細なことや。試合に出る、出えへん。俺がレギュラーで、あいつが補欠。

「仕方ないやろ」

 その一言で火がついた。


 ほんまは、あいつが悔しいの、わかってた。

 わかってたのに、勝った側の言葉を選んでしもうた。

 胸を押して、言わんでええことまで言うて、引っ込みがつかんようになった。


 三日、家でスマホを何回も手に取っては、置いた。

 画面を何度も開くけど、指は文字に触れられない。

 布団に寝転んで、天井を見て、

「俺は悪くない」

 って声に出してみた。


 洗面所で歯を磨きながら、ふと名前を呼びそうになって、

 泡だらけの口を閉じた。


 警報が鳴る。赤いランプが点滅する。

 踏切の前で、俺らは並んで立ってる。

 遮断機が上がりかけた――

 踏切が開く前の空気が重くて、胸が張り裂けそうだった。

 そのとき、俺は息を吸った。


「……健太」

 同時に、あいつも俺の名前を呼んだ。


「ごめんな」

「ごめん」


 踏切が開く。

 俺らは何事もなかったみたいに、歩き出した。


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