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どーにも、こーにも、なにがなんだか…  作者: 双鶴


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4/6

4話

その朝、タケルは決めていた。

「今日こそ、話しかける」


前夜、風呂場で何度もシミュレーションした。

「おはようございます」→不自然。

「このバス、混みますよね」→天気の話レベル。

「その制服、○○学園ですか?」→不審者感がある。


最終的に選んだのは、降車ボタン作戦だった。

彼女が降りるタイミングで、自分も一緒に立ち上がる。

そして、自然にこう言うのだ。


「…あ、君もこのバス停なんだ」


完璧だった。

脳内では、彼女が微笑み、

「はい、いつも同じ時間なんです」

と返してくれるところまで再生済み。


---


バスが停まり、彼女が乗ってきた。

今日も斜め前。

タケルは、心の中でカウントダウンを始めた。


(あと3つ目のバス停で降りる…たぶん)


彼女がカバンを閉じた。

立ち上がった。

タケルも、立ち上がる。


降車ボタンを押す。

「ピンポーン」


(今だ!)


タケルは、口を開いた。

でも、声が出なかった。


彼女は、静かに降りていった。

タケルは、何も言えずに、ただ後ろをついて降りた。


(俺、今、完全に不審者だったんじゃ…)

(話しかけるって、こんなに難しいのか…)


その日は、一日中、自己嫌悪だった。

でも、どこかで思っていた。


(でも、降りるタイミングは合ってた)

(次こそ、ちゃんと話しかけられるかも)


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