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『いかなる窮地でも成功をイメージする』
(──絶対に、気取られてはいけない)
春先。学生がワイワイとごった返す校門は始業ベルが鳴る前だ。余裕を持って来たはずの遊佐柾は魔境へ踏み入る前かのように緊張で喉を鳴らした。
(必ず隠し通して見せる……!)
しかし負けじと一歩、足裏に地の在る事を確かめるように踏み締める。
(皆の清き一票の集合体である錦門学院生徒会長であるこの遊佐柾が──)
目を伏せ、思いを馳せるのは学生服の内側だ。その内に潜む魔物は今か今かと外の世界を待ち焦がれている。
(────ドス鯉プリントされた、クソダサTシャツを着ているという事実をッ!)
鯉頭の力士が張り手をしているTシャツを隠し通す戦術諜報ミッションが、今始まった!




