冒険者との出会い
更新がめっきり途絶えてしまって申し訳ありません!
「なんていうか……思ったより普通だな」
冒険者ギルドより派遣された冒険者ガルドがぼそりと呟く。
「ゴブリンが出たって言う割にはのんびりしてるよね〜」
フィオが肩を回しながら辺りを見渡した。
「むしろ平和すぎて怖いわね」
アルウィナの声は淡々としているが、眉はわずかに寄っていた。
そんな会話をしているところへ。
「すげぇ!!本物だ!!」
「剣持ってる!冒険者だー!」
子どもたちが雪崩のように押し寄せ、フィオを包囲した。
「わー、近い近い!!これ刃物!本物だから!!」
「かっこいい!!」「触らせて!!」
場は混沌となりかけていた。
ガルドはため息を置いてから、手を叩いた。
「はいはいー、危ないからねー。刃は危ないから触っちゃダメだぞー」
すると腰に手製らしい短剣を下げた少年が胸を張った。
「見て見て、この武器もすごいでしょー!」
「かっこいい短剣だね。お父さんが作ってくれたの?」
「違うよーロイドさんが作ってくれた!」
「ロイドさん?」
「ロイドさんはね馬より強いんだよー!」
「……馬?」
アルウィナとフィオとガルド、三人同時に響く。
「そう!前はねー、鹿とか持って帰ってきたんだよ!」
鹿……?
三人は、子どもの話を半分くらいに聞いてその場を後にした。
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「おお、来てくれましたか!」
家の入り口で手を振る村長の姿が見えた。
「依頼を受けて来ました。さっそくですが、状況を確認させていただけますか?」
ガルドが答えると、村長は嬉しそうに頷いた。
「うむうむ、村の案内と共にしましょう。こちらへ」
村を歩く中のどかな生活音が耳に残る。
村長の案内した先に木造の大きな蔵があった。蔵の門を開けるとそこにはぎっしりと動物の肉や、毛皮、果物をはじめとする食材が配備されていた。
「冬越えに必要なすべてがここに詰まっております」
「わー、すっごい量。あたしがいた村でも冬前になると、貯蓄のために村総出で狩りしてたなー。なんか懐かしくなっちゃった」
フィオがそういうと村長が笑いながら言った。
「それが――ダリオとロイドの二人だけでこれだけの量を集めてきたのですよ。ロイドが熊を担いできたと聞いた時は腰を抜かしましたよ」
「……あの熊を?」
ガルドの視線の先には人間の背丈を優に超える熊のはく製が。
「ロイドは王都で兵士をしておったようですが、戦争が原因で療養を――」
「療養中なんですよね!?」
村長は笑ったが、ガルドの表情は硬くなる。
「あと泊まる場所ですがね」
村長が歩きながら言う。
「残念ながら村には客人用の宿がないのでロイドに頼もうかと。皆さんも王都からいらしたのでしょう?それならきっと話が合うでしょう」
「助かります」
そうガルドは返したが、心の中では首を傾げていた。
馬より強くて、鹿持ってきて、熊を担いで療養中?意味が分からない。一体どんな大男なんだ。
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「さて、ロイドの家はあちらです」
村外れ、少し高台になった場所。小さく質素な木の小屋。
村長が扉を軽く叩く。
「ロイド!ちょっといいか」
中から気配が動き──扉が開いた。ロイドはいつも通りの無表情で立っていた。
「冒険者ギルドからの者だ」
ガルドは軽く会釈する。ロイドはその視線を一人一人に流すように観察してから、短く頷いた。
「ゴブリンの件か。健闘を祈る」
そういうと、ロイドは扉を閉めた。
あまりの出来事に三人は完全に固まるのだった。




