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第32話 朝チュン

「ユキ……ユキ……」


(ん……?)


「ユキ……大丈夫か……?」


(んんん……? この声は……アイシャ……様……?)


「ユキ……こんなところで寝ていては風邪をひくぞ……布団を敷いたからせめてこっちで……」


(りょーかいです……あ、そうだ……弾の同時……同時発射ができるようになったんだった……アイシャ様に報告……しなきゃ……同時……同時……)


「発射できますぅ」


「ちょっ! ユキ……! 急に……急にどうした……!?」


(…………アイシャ様は夢の中でもいい人だなぁ……)


 ◇


 ちゅん……ちゅん……ちゅん……。


 朝の陽ざしが研究開発室の窓に差し込む。


(…………えーと……これどういう状況……?)


 ユキは目が覚め、布団からむくりと上半身を起こす。


 隣には、アイシャ・イクリプスさんらしき人がスヤッスヤと眠っている。


(うーん……何も思い出せん……)


「………………」


「あ……ユキ…………おはよう……」


「っっ……! お、おはようございます」


「え、えーと……アイシャ様……恐れ入りますが、これってどういう状況ですかね?」


「……ユキ……覚えてないのか?」


 アイシャは少々、寂しそうに上目づかいで言う。


「え……えぇ……実は何も……」


「そうか……昨日は……その……すごかったぞ……」


「っっっ!?」


(何が……!?)


 ◇


「というわけで、ソレハ、オーエス、見てくれ! ユキが改良したこの魔道具……! すごいだろ!」


「「おぉおお……! すごいです!」」


 研究開発室にやってきたソレハとオーエスに、アイシャは昨夜、ユキが開発したスプリンクラーのように冷気を撒く魔道具のお披露目をする。


「…………」


(……アイシャ様が言っていた「すごかった」って魔道具のことか……いや、しかしアイシャ様に、特に何も粗相(そそう)をしていなくてよかった……)


 ユキは本気でほっとする。

 まぁ、実は全く粗相をしていなかったというと、そうでもないのだが、本人は忘れている。


 と……、


「アイシャ様、ユキくん、実はねー、こちらの方もついに準備が整いましてー!」


 ソレハがそんなことを言う。


(ん……? 準備……?)


「ユキくんー、最近、我々はほとんど研究開発室にいなかったでしょー?」


「え……? まぁ、確かに」


「遊んでいたわけではないのだよーー!」


(そんなこと思ってませんよ……)


「実はアイシャ様に頼まれてー、とあるモノを準備していたのですー!」


(アイシャ様に……?)


「というわけでー、ちょっとついてきてねー!」


 というわけで、ユキとアイシャはソレハ、オーエスに連れられて、別の場所へ移動する。


「ここですー!」


(ここは……?)


 ユキが連れられてきたのは、野外にある倉庫のような建物であった。

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