ONDOSA ~高校の最大五人の女子グループに所属する、女主人公の現代の日常は、白ショーツ黒リボンだらけで占められる~
友人女子「すっごく見せちゃうよ。……私の大切な下着を」
あなたの前には、年下にも見えそうな私服を着た、同級生の女子がいる。この友人の一人は童顔でもあるが、背は女子高生のあなたよりも少しだけ高い。
ここは、彼女の自宅の部屋の中。あなたは下校時に、彼女の家に寄ったのだった。
「ちょっと聞いてほしいの。まずはこれを見て」
黒髪を左右で短めの三つ編みにした彼女は、黒いミニスカートをいきなりたくし上げた。この非常識な行動に、床に座っていたあなたはびっくりしてしまう。
あなたに見せられたのは、おへそまで隠す子供っぽい下着だった。白い生地が、彼女のミニスカート内側にあった肌の大部分を覆っている。
彼女はスカートを持ち上げているものの、丈が短いため、ちょっと屈むだけでも下着は簡単に見えてしまう。実際、あなたはたくし上げ以前から、彼女の下着が目に入っていた。
「これ、白い下着だけど、白い下着って説明するのは、正確じゃないよね?」
その通りではあると、あなたは思った。
女児向けのような白い下着には、小さな黒いリボンのプリントが所々に入っている。正面だけで十個以上はあるだろうか。
「でも、黒いリボン模様の下着って説明しても、ちょっと違う感じがするでしょ? だって、それだと黒の下着みたいに思われそうだし、ここにプリントじゃないリボンだってついているんだから」
上部の中央に縫いつけられた黒いリボンまで大胆に見せながら、彼女は続ける。
「この下着だと、黒いリボン模様がいくつも入っていて黒いリボンもついている白い下着って、長々と説明しないといけないじゃない? でも、あえて短く言うのなら、色を言わないで、一個しかついていない黒リボンのことは無視して、リボン柄の下着、なのかなぁ……」
友人は、どうでもいいことを延々と話す。彼女がこのようなことをする理由について、あなたには答えが見つからない。
ただ、たくし上げの下着をずっと見られるのは、こっちまで恥ずかしくなりつつも……凄く良い眺めだと言えた。子供っぽいという弱点に対し、彼女のたくし上げの手つきが芸術点を加える。
ようやく、彼女がたくし上げを終えると、室内のベッドに座った。
「隣に座ってね」
そう言われて彼女の横についたあなたは、先ほどの行動原理を聞いてみる。
すると、意外な展開があなたを待っていた。
「――正直に言って。私達のグループを抜けて、他のグループに入ろうとしているの?」
逆に聞かれて、あなたは戸惑う。
グループとは、クラス内における複数名の集まりのことだ。あなたは女子グループのうち、あなたも含めて五人いる女子グループに所属している。所属と言っても、あくまでも曖昧な集団ではあるが、五人というのは、クラス内の女子グループの中では最大派閥になる。
そのグループのリーダーの女子が、どうも、あなたが他のグループの女子と接触しているのを見かけたと言うのだ。
あなたにはそんなことをしていた記憶がない。目の前の友人へと、違うと伝えた。
「おかしいなぁ。あの子に、あなたがグループを抜けないよう誘惑してって頼まれたから、ああいうことをしてあげたのに……」
子供っぽいパンツを見せるだけで誘惑? と、あなたはつい言ってしまった。
「でも、実はけっこう喜んでいたでしょう?」
友人はいやらしい視線をあなたに送り、あなたの前に立った。左手でスカートを大きく持ち上げて、右手であなたの右手人差し指をつかむ。
「誘惑を続けるね。リボンを一つずつ、数えてみましょう。いーち、にーい、さーん、しーい……」
黒いリボンのプリントを一つずつあなたの指で圧しつけて、強制的に数えさせる。縫いつけのリボンも、一個に含まれた。
この間、あなたの興奮度は確かに上昇していた。
「はい、全部で十五個あったね。じゃあ次は、後ろも数えてみようね。今度は自分自身で、今みたいにちゃんと下着に触れながら、数えてよ?」
彼女はあなたに背を向けて、黒いミニスカートをたくし上げた。あなたの位置からは、彼女の突き出すお尻側が丸見えだ。
白い生地が広がる。表と同様、黒いリボンのプリントがいくつも入っている。縫いつけのリボンは、裏にはなかった。
今回、あなたは彼女の助けを借りずに、リボンを数えなければならない。
「早くしてよ。……楽しんでね」
ほとんど強制だった。
あなたは覚悟を決めて、作戦を開始した。
「あっ……ああんっ……」
そっとあなたが押すたびに、彼女が喘ぎ声を出す。
途中でやめていいかと、あなたは聞いた。
「だーめ。だって、あなたが私の誘惑を子供っぽいって言ったから、いけないんだよ?」
彼女に中止してくれそうな気配はない。
「――お願い! 続けてほしいのっ!」
物語の山場で聞くようなヒロイン声であなたは頼まれ、しかたなく続行した。けれども、高揚感は常に強く内にあった。
「いくつだった?」
あなたは十と答えた。実際は、もっと多かった気がする。
彼女は正否を確認せずにミニスカートを戻し、あなたの横に戻った。肩が接触するぐらいに近い。
「私達がこういうことをするぐらい仲がいいことをあの子が知っていたから、私に気を遣って、誘惑する理由を作ってくれたのかなぁ?」
あなたはずっと、疑問を抱いていた。それは彼女との仲についてだ。
一方、彼女はあなたの思いに関係なく、喋り続ける。
「でもあの子、リーダーシップはあるけど、そこまで気遣い出来るような子じゃないよねぇ。本当に現場を見ていたけど、あなたと誰かを見間違えたのかな? それとも他の二人が、あの子に入れ知恵したのかも……」
と推測した後に、
「うーん、それもないか。あの二人、かわいいけど、やっぱりそこまで気が回るようなことはしないでしょうし」
彼女自身が否定した。
「真相はどうにしても、私達は親友同士だから、グループ抜けるなら、一緒にだよね。まあ、今のところ、抜ける理由もないし、今のグループに居続けるほうが波風立たないでいいものね」
ここで、あなたは勇気を出す。
言うほど親友だっけと、ついに疑問を口にしてしまった。
「えーっ! そういうこと言うのぉ~ッ?」
三つ編みが飛び上がりそうなぐらいの大声だった。
そんな彼女とあなたには、かなりの温度差があった。
あなたとしては、この女子とそんなに仲良しだとは思っていなかったのだ。この家に来るのも、あなたは初めてである。
「私、あなたの親友だよ? だから、キスだってするよ?」
彼女は唇を伸ばして童顔を不細工に歪ませた。あなたは怖くなり、即座に拒絶した。
「じゃあ、代案。お耳かきをしてあげるね!」
この後、耳かき棒を用意した彼女にあなたは強引に頭を引っ張られ、膝枕をさせられた。乱暴な扱いで、耳がやられるかと本当に心配したが、耳かきはとても優しくおこなわれた。
そんなに仲良くないのに、何故耳かきをしてもらっているのか。この子に耳掃除をされている間、ずっと疑問が消えなかった。
「お耳の汚物が~、次々と排除されていきますよぉ~」
時々語られる小声も気になった。
「たくさんお耳のお粉を集めて、かわいいパンツと交換してもらいましょう~」
そんなのムリだとあなたは思った。
床で横になっていたあなたは、耳かき終了後に立ち上がる際、短いスカートの内側の、あの下着を見てしまった。彼女は少し恥ずかしそうにしながらも、隠そうとはしなかった。
「また来てね。今度は……下着姿で、耳かきしてあげる」
玄関で見送られる際、あなたは彼女の下着姿こそ拒否したが、耳かき自体は否定しなかった。
耳かきされた後の気持ち良さのまま、あなたは彼女の家を後にした。
(終わり)
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
『リコテキカノジョ!』と『ほんのひと握りの勇気とウソを』も、良かったらお読み下さい。