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第9話 ウサギ飼ってみた

 犬も猫も、動物はほとんどぜ~んぶ好き。だけど特に大好きなのがウサギさんです。以前白い子を飼ってたんだけど、月に帰っちゃったときとても悲しかったので、もう二度と飼わないって決めてました。

 でもペットショップの前を通りかかったら、私をじっと見つめる目を感じるではありませんか。振り向くと、まん丸の大きなお目々のウサギさん。


 白い子は、ショップの売れ残りだったみたいで、少し大きくなってた。赤いお目々がかわいい子。ウサギさんの赤い目は時々ルビーみたいに透明に光を放って輝くのよ。

 私の話わかるみたいで、「おやつ」っていうとぴょんぴょん飛んでくる。「悪い子!」って叱ると足をバタバタさせて怒るのよ。だって、電線、壁紙、布団、紙、なんでもかじっちゃうの。だからかじっちゃ駄目なものをかじったときは叱ります。そうすると、ちゃんと理解するのよ。次にかじるときはいたずらっ子みたいな目で見てたわ。

 とてもやんちゃで元気な女の子。家中を駆け回って遊ぶだけでは足りなくて、一度は外の世界に脱走したこともある。でも次の日の朝ちゃんと帰ってきて、嬉しいやら驚くやら!にんじんはもちろん、ウサギさんが食べてもいい植物は何でも食べるし、ビール飲んじゃったときには心配したわ。でも元からお目々が赤いから酔っ払ったかどうかわからないの。


 今頃は月の世界で食べたいもの食べて、遊びたいだけ遊んでるわね。家では一匹で寂しかったと思うけど、お友だちもできたでしょう。彼氏もできたかしら。


 きっとウサギの世界にも、カワイイ子とかイケメン君とか、いるんでしょうね。人間には同じような顔にしか見えないけど、ちゃんと相手が誰なのかわかってるみたいだもの。


 こんど来た子はグレーで性格は正反対。まだ小さい赤ちゃんだけど、ウサギのごはん以外は何も食べません。にんじん嫌いのウサギなんて初めて見たわ。それに、いつも遊ぶ1つの部屋から一歩も外に出られないの。私が隣の部屋に行くと、敷居スレスレのところに立って待ってる。


 白い子は11年生きました。でも途中何回か病院通いしたわ。人間と同じように熱はかったり点滴したり、痛くて怖い治療されたので、病院に行くってわかると死にそうに弱ってた子が駆け回って嫌がるのも可愛かった。ウサギさんは歯が伸び続けるのでチェックしなくちゃいけないってわかったわ。


 動物には感情がないとかいわれることもあるけど、私にはウサギさんの喜び、悲しみ、怒り、ちゃんと伝わってきました。おやつ食べたときは嬉しそうに短いしっぽ振るわ。私が寝てるとお腹の上に乗って慰めてくれる。悪い子だったとき叱ると跳ね回って怒りを現します。とても小さな命だけど、頑張って生きてるのがわかります。月に帰るときは、最後の瞬間まで私を見つめてた。大切にしなくちゃいけないと思う。


 でも、小さなウサギさんが、それぞれ全く性格が違うことに驚きました。みんな違うのよね。人間もそれぞれ個性があるのは当たり前だと思いました。私は、ウサギの命も人間の命も同じように大切に思えます。

 大切にしなければならないものの一番は、生きてるものの命だと思う。それに大切にするって、ただ餌上げるだけじゃ駄目だと思う。見守って、世話して、かわいがって、愛してあげなきゃいけないわ。寂しい思いをさせるとウサギさんは死んじゃうっていうけど、多分本当ね。

 人間も同じ、好きな人に会えなくて寂しいのはとてもつらいことだわ。


 そして、私が最後の日を迎えたとき、かわいかった子に会えるのかしら。

 いろんな考え方があるみたいね。そんなことも勉強してみたいわ。




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