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冒険者による風土記  作者: 疾風のナイト
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第2章 ~海岸の兎と鳥~

依頼でハク海岸に赴くことになったフレア。

そこで彼女は珍妙な生き物達に出会う。

果たして、フレアに待ち受けるものとは?

 冒険者ギルドへと赴いたフレア。何人かの冒険者達がいる中、彼女は真っ直ぐ受付の方へと向かう。


「あ、フレアさん、こんにちは」

「こんにちは。早速だけど、新しい依頼は入ってきてない?」

「はい。こちらになります」


 そう告げた後、フレアに依頼票を手渡す受付嬢。早速、彼女は渡された書類の中身を丹念に読んでいく。


「……カナヅチ頭がハク海岸に出現したのね」

「おかげで周りの人達も困っているようです」


 気が重たそうに話している受付嬢。今回の依頼は海岸に出現したカナヅチ頭と言うモンスターの討伐であるが、以前の時と同様、難易度に比べて報酬額が少ないのである。


「そんな難しい顔しないの。可愛い顔が台無しよ」

「はぁ、すみません」

「大丈夫よ、この依頼、私が受けてあげるから」

「いつもフレアさんばかりに悪いです」

「もし悪いと思っているなら、そうね、今度、食事でも奢ってもらおうかな?」

「っ!はい、喜んで!」


 フレアから提示された条件を聞いた途端、満面の笑みと共に返事をしている受付嬢。このぐらいのことであればお安い御用だ。

 その後、フレアは依頼を引き受ける手続きを行う。この依頼が奇妙な出会いを生むことになるなど、この時の彼女は予想もしていなかった。



 トリン市の北部に位置しているハク海岸。この海岸はリホン海に面しており、近隣には漁業を生業とする人達が集落を形成している。

 ハク海岸を訪れたフレア。既に彼女は黒地の鉢巻を巻いており、モンスターを戦う気力は十二分にある。

 そうしたフレアの眼前には今、白い砂浜、紺碧の海の光景が広がっている。何時見ても美しい景色だ。しかも、海はただ美しいだけではなく、沢山の魚介類が獲れるため、地元の人達にとっては、まさに恵みの海と言ってもなかった。

 穏やかな波の音を聞きつつ、ハク海岸を歩き続けるフレア。普段であれば、地元の人がいるはずであるが、今は人っ子1人も見当たらない。モンスターのカナヅチ頭を恐れ、海に近寄れないためである。


「ウ~サ~!」

「ピ!ピピー!!」


 すると突然、波の音に混じって何かの鳴き声がフレアの耳に届く。しかも、この鳴き声は動物のものでなければ、モンスターのものとも違う。


「何かしら?」


 当然、鳴き声のことが気になるフレア。鳴き声の正体を確かめため、彼女は元を辿るのであった。

 鳴き声を辿ってやってきたフレアの視線の先、そこには今まで見たこともない2体の生き物の姿があった。

 まず1体目の生き物であるが、兎のような姿と人間のような手足が特徴的である。次に2体目の生き物であるが、小鳥のような姿と黄色の体色が特徴的だ。いずれも、動物ともモンスターとも違う。


「ウウウ……サササ~!!」

「ピピ……ピー!」


 怪我でもしているのか、痛そうに泣く珍妙な兎。一方、珍妙な小鳥は必死に宥めている。このことから両者は親しい関係にあることが窺える。

 よく見ると、珍妙な兎は白い毛を剥ぎとられており、所々、ピンク色の素肌が露出している。恐らく、素肌に海の塩が入り込んで痛がっているのだろう。


「ねえ、どうしたの?」


 見過ごせないと思い、珍妙な兎と小鳥に話しかけるフレア。困っているのであれば、誰であろうとも関係ない。


「ウ?サ?」

「ピ?」


 突然、フレアに話しかけられたのでキョトンとなる珍妙な兎と小鳥。しかし、彼等はすぐに気を取り直してジェスチャーを始める。


「ウサササ!」

「ピピピ!」

「うんうん」


 必死にジェスチャーをすることにより、何があったのかを伝える珍妙な兎と小鳥。一方、フレアは意識を集中して彼等の身ぶりを把握する。

 ジェスチャーによればこうである。ハク海岸で遊んでいた珍妙な兎と小鳥。ところが、海から化物が現れて襲い掛かってきたとのことである。

 勿論、彼等は逃げようとしたものの、逃げ切れずに珍妙な兎の方は毛皮を食べられてしまったと言う。その後、化物は海に戻ってしまい、今に至っているそうだ。


「海から現れた化物、もしかして!」


 ジェスチャーを読み解いた後、反射的に叫んでいるフレア。彼女には心当たりがあった。そう、今回の依頼で標的となっているモンスターだ。


「ウ~サ~!」

「ピッ~!!」


 ジェスチャーを終えた後、急に痛がり始める珍妙な兎。身体を大きく動かしたことで海の塩がさらに入り込んだのだ。一方、珍妙な小鳥は相方を気遣うものの、どうすることもできずにいる。


「塩のせいで身体が痛いのね。大丈夫、私に任せて」

「ウ?」

「ピ?」


 にこやかな表情で珍妙な兎と小鳥に語りかけるフレア。同時に2体の不思議な生き物達の視線が彼女の方に向けられる。


「私についてきて。きっと良くなるはずよ」


 そう告げた後、海とは逆の方向に歩き始めるフレア。一方、珍妙な兎と小鳥は要領を得ない様子であったが、彼女の後をついていくことにした。



 ハク海岸付近にある雑木林。このエリアは海の近くでありながらも、豊かな植生に恵まれている。

 雑木林の中にある泉。地下から湧き上がっているためか、泉の水は冷たくて透明感がある。

 この泉の近くでフレアは珍妙な兎の身体を洗っていた。珍妙な小鳥が泉から水を汲み、彼女が身体を洗うことにより、付着した塩を落としているのだ。


「ウサ~」

「沁みるけど我慢してね」

「ピ~!」


 冷たい水が沁みて叫んでいる珍妙な兎、フレアは身体を洗いつつ宥めようとする。珍妙な小鳥も相方を何とか励まそうとしている。

 やがて、付着した塩を洗い流した後、薬草を取り出すと珍妙な兎の身体に当てるフレア。これで傷の手当てをしているのだ。


「これで手当ては終わりね。後は……」


 そう言うと同時に周囲の様子を見回しているフレア。彼女達のすぐ近くには数多くの蒲が自生している。きっと泉の水で育ったのであろう。

 すると、フレアはいくつかの蒲から穂を取って砕いていく。同時に固まっていた穂はふわふわな状態に分解する。

 ふわふわな状態の蒲の穂を地面に広げるフレア。これで雑木林の中に即席の布団ができあがる。


「さ、ここで休んで」

「ウサウサ」


 準備が整った後、蒲の穂に包まるように促すフレア。珍妙な兎の方も素直に彼女の言うことに従う。

 蒲の穂に包まって休んでいる珍妙な兎、すぐ傍で相方の看病している珍妙な小鳥、両者の姿を見守っているフレア。


「ウサササ~!」

「ピピーピー!」

「どういたしまして」


 それぞれ独特の鳴き声を上げ、お辞儀をしている珍妙な兎と小鳥。彼等の意図を読み取って返事をしているフレア。今やすっかり仲良しだ。


「それで貴方達の名前だけど……」


 そう言うと珍妙な兎と小鳥に視線を向けているフレア。彼等を何と呼べばいいのか、あれこれを考えているのだ。


「まず、貴方だけど」

「ウサ?」

「兎のような姿をしているからピョンはどうかな?」

「次に貴方は……」

「ピ?」

「ピーと鳴くからピートって言うのはどう?」


 目の前の珍妙な兎と小鳥に向かって、自らが考えた名前を提案するフレア。いずれも、外見や鳴き声から由来しているため、安直と言えば、安直な名前と言えるだろう。


「ウサ~!」

「ピピ~!」


 フレアから名前を提案されて喜んでいる珍妙な兎と小鳥。どうやら、彼等はこの名前が気にいったようである。


「それじゃ、よろしくね。ピョン、ピート」

「ウサ!」

「ピ~!」


 フレアからの挨拶に喜んで返事をしているピョンとピート。緑豊かな雑木林の中、彼女達の間には和やかなムードが流れる。

 そうした時であった。フレアの耳飾りが少しだが、確かに光を発する。この近くに危険が迫っているのを知らせているのだ。


「ここで待っていて」

「ウサ」

「ピ」


 フレアの呼び掛けに返事をするピョンとピート。そのまま彼女は彼等を残し、急いで雑木林から出るのであった。



 白い砂浜と紺碧の海が美しいハク海岸。今ここに1体のモンスターが海から姿を現していた。

 このモンスターを彷彿とさせる一方、人間のように手足を伸びている。さらに頭部が左右に張り出しており、T字型の撞木のようでもある。別の表現をすれば、シュモクザメ型の魚人と言ったところであろうか。

 ちょうど同じ頃、雑木林から出てきたフレアがハク海岸に到着する。当然、シュモクザメ型の魚人の姿が目に留る。


「カナヅチ頭!」


 シュモクザメ型の魚人を見た途端、その名前を呼んでいるフレア。そう、このモンスターこそが今回のターゲットのカナヅチ頭であった。

 カナヅチ頭。肉食性のモンスターであり、普段は海中に生息しているが、時折、陸上に現れては暴れ回る習性がある。非常に凶暴であり、特に血の匂いを好む傾向にある。


「~~!!」

「くっ!」


 フレアの姿を見た後、口を大きく開きつつ、荒々しい叫び声を上げるカナヅチ頭。一方、彼女は背中のS-HARDを抜いて構える。


「っ!」

「そこっ!!」


 相手との距離を一気に詰めていく中、大きな口で噛みつこうとするカナヅチ頭。対するフレアはモンスターよりも先に斬撃を決め込む。

 S-HARDによる鋭利な斬撃。通常のモンスターであれば、これで負傷するところだ。しかし、カナヅチ頭はビクともしていなかった。


「流石、カナヅチ頭ね。生半可な攻撃じゃ駄目ね」


 残念そうな表情で言葉を漏らしているフレア。何故、先程の攻撃がカナヅチ頭に通じなかったのか、その理由を彼女は理解していた。

 実はカナヅチ頭の皮膚は強度が高い上、表面がザラザラとしている。このため、敵の攻撃を弱める効果があったのだ。


「やっぱり、強烈な攻撃を加えないと!」


 そう言った後、S-HARDを構えつつ、柄を握る手を強めるフレア。カナヅチ頭を倒すためには、最大威力の攻撃を叩き込むより他がなかった。

 すると突然、地面の上でうつ伏せになるカナヅチ頭。それと同時にモンスターの身体が砂浜と密着する形となる。


「まずい!」


 態勢を変えたカナヅチ頭の姿を見て、焦りの表情と共に叫んでいるフレア。急いで彼女はできるだけ相手との距離を取ろうとする。

 次の瞬間、砂浜でうつ伏せになったカナヅチ頭が動き出す。その動きは非常に速い上に滑らかであり、まるで海中を自由自在に遊泳するシュモクザメである。

 陸上でありながらも水中のように移動しているカナヅチ頭。秘密はザラザラとした皮膚にあった。この皮膚が微振動することにより、水中と同じ具合に移動できるのだ。


「危ない!」


 高速で迫るカナヅチ頭を前にして、寸でのところで回避するフレア。1歩間違えれば、モンスターの餌食になっていたことだろう。

 しかし、カナヅチ頭はしつこくフレアのことを狙ってくる。その度、彼女はモンスターの追撃を避けてみせる。これも腕利きの冒険者のなせる業であった。


「でも、このままじゃ埒が明かない!」


 カナヅチ頭の猛攻を前に苦い表情を浮かべているフレア。敵の攻撃の速度は思った以上に速く、こちらは回避するので精一杯である。これでは、最大攻撃を発動するための溜めを行うことができない。

 そうした中、自らの勝利を確信したのだろうか、陸上遊泳を止めて二足歩行の状態に戻るカナヅチ頭。その上で敵は両腕から伸びたヒレ、口元に並んだ鋭利な歯を見せつける。いよいよ、全面的に攻撃を仕掛けようとした時であった。


「ピー!!」


 すると突然、ハク海岸に鳥の鳴き声のようなものが響き渡る。何事かと動きを止めてしまうカナヅチ頭、対するフレアは今しがたの鳴き声に聞き覚えがあった。

 次の瞬間、カナヅチ頭を目がけて何かが向かってくる。しかも、目にも留らぬ速さで向かってくる。


「!!?」


 あまりの速さであるため、カナヅチ頭は何の対処もできず、何かがどてっ腹に直撃してしまう。その途端、腹を中心に強烈な衝撃が広がる。

 そして、気がつけば、何者かがカナヅチ頭の前に立っていた。まるでモンスターに立ち塞がる戦士のようだ。


「ピート!」


 一連の様子を目の当たりにして、フレアはカナヅチ頭の前に立つ者の名を呼んでいた。先程の光景はピートがとてつもない速度で体当たりを見舞ったのだ。


「ウサウサ!」


 ここにいるのはピートだけではない。ハク海岸には今、傷の癒え切らないピョンの姿もあった。そう、彼等はフレアの力になるべく、雑木林から出てきたのだ。

 すぐさま軽快かつ素早い身のこなしで合流するピョンとピート。その動きは人間よりも遥かに機敏であった。


「ウサ!ウサ!ウサ!」

「ピィ!ピィ!ピィ!」


 カナヅチ頭に向かって叫んでいるピョンとピート。一方、予想外の邪魔に凶暴なモンスターは怒りを募らせるが、彼等は決して怯むことをしない。


「ピョン、ピート」


 勇気あるピョンとピートの姿を見て、名前を呟いているフレア。それと同時に意図を理解した彼女はS-HARDの柄を強く握る。彼等は自らを囮にすることで時間を稼ごうとしているのだ。


「!!!」


 怒り心頭のカナヅチ頭は両腕から伸びたヒレを構え、鋭い歯が並んだ口を広げた上でピョンとピートに襲い掛かろうとする。

 一方、危険を察知したピョンとピートはすぐに離脱しようとする。しかし、残念なことのカナヅチ頭の方が僅かながらに速い。このままモンスターの餌食になるかと思われた時であった。


「やらせない!」


 急に聞えてきた制止の声。同時にカナヅチ頭の独特な目はとある方向に向けられる。そこにはS-HARDを構え、一気に距離を詰めてくるフレアの姿があった。


「闘炎斬!!」


 今、魔石を介してS-HARDの身に灼熱の炎が宿る。そして、フレアは強烈な斬撃をカナヅチ頭の胸部に浴びせる。


「!!?」


 次の瞬間、胸部を斬られて声にならない悲鳴を上げるカナヅチ頭。同時にモンスターはその場にどっと倒れ込み二度を起きることはなかった。無事に仕留めることに成功したのだ。


「ウサ~!」

「ピ~!」

「ふぅ……」


 にっくき敵が倒れたことにより、歓喜の声を上げるピョンとピート。一方、フレアもまた、無事にカナヅチ頭を仕留めることができて安堵していた。

 その後、ナイフでカナヅチ頭の処理を開始するフレア。鋭利な歯を抜き、ヒレを落とし、ザラザラとした皮を剥ぎ、最後に腹部を裂くことで魔石を回収する。このモンスターは凶暴で厄介な分、色々な部位に利用価値のある貴重な相手でもあった。

 カナヅチ頭から回収した素材と魔石を収納袋に詰めるフレア。これでカナヅチ頭の討伐依頼は概ね完了するのであった。



 冒険者ギルド内の検査室。ここには今、素材と魔石の鑑定を行っているギルドマスター、検査を受けているフレアの姿があった。なお、彼女の傍にはピョンとピートもいる。


「これだけの品質の良い素材と魔石、上出来だ!」


 検査を終えた後、素材と魔石の品質に太鼓判を押すギルドマスター。これだけの物はなかなか手に入らないであろう。


「ありがとうございます」

「ウサ!」

「ピ!」


 ギルドマスターからの評価を聞いて、満面の笑みと共にお礼を述べるフレア。さらに傍にいるピョンとピートも喜んでいる。苦労した甲斐があったというものだ。


「それにしても、こんな珍妙な生き物達がねぇ」


 そんなことを言った後、ピョンとピートに視線を移しているギルドマスター。こんな珍妙な生き物達が今回の依頼に貢献していたとは思ってもみなかった。


「彼等は素材の荷物運びを手伝ってくれました。それに彼等がいなければ、カナヅチ頭を討伐することはできませんでした」


 未だに半信半疑なギルドマスターに向かって、ピョンとピートの働きぶりを伝えるフレア。彼等が身を呈して時間を稼いでくれたからこそ、凶暴なカナヅチ頭を倒すことができたのである。この功績はとても大きいと言える。


「う~む」

「ウサ?」

「ピ?」


 ピョンとピートのことを品定めするように見ているギルドマスター。一方、彼等は何事かとキョトンとしている。

 確かにピョンとピートは珍妙な姿をしているが、その瞳は一切の曇りがなく純粋そのものである。それは信じるに足りるものである。長い間、多くの人間を見てきたギルドマスターの直感が訴えかけてきた。


「お前達、ここに来るか?」

「ウサァ?」

「ピィ?」

「但し、冒険者ギルドでの雑用は手伝ってもらう。それくらいできるだろう?」

「ウサ~!」

「ピィ~!」


 ギルドマスターから提示された条件に対して、任せろと言わんばかりの振る舞いと鳴き声で答えているピョンとピート。実に頼もしい姿と言えるだろう。


「決まったな。これからよろしくな」

「ウサ!」

「ピピ!」


 ギルドマスターからの言葉に対して、表情をキリッとさせて鳴き声を上げるピョンとピート。そう、彼等はトリン市の冒険者ギルドに迎え入れられたのだ。


「よろしくね、ピョン、ピート」

「ウサ~」

「ピ~」


 冒険者ギルドの一員となったピョンとピートに向かって、柔らかな表情と共に改めての挨拶をしているフレア。彼等も満面の笑みと共に返事をしている。

 今回のハク海岸の依頼を通して、ピョンとピートと知り合ったフレア。この時、彼女はトリン市での冒険者活動がさらに活発なものになることを確信するのであった。

第2章

お疲れ様です。疾風のナイトです。

前回に引き続いて、今回も「冒険者による風土記」の第2章を投稿させていただきました。


以下、元ネタ

今回の話では全体的に因幡の白兎を参考とさせていただきました。

因幡の白兎についてですが、日本神話の1つになります。話の大筋ですが、大怪我を負った兎を大国主命が助けると言う話になります。この話は鳥取が舞台となっているため、僕は幼い頃から因幡の白兎を聞かされて育ちました。

※伝承によれば、因幡の白兎は心ない神達の悪戯により、酷い目に遭うことになりますが、その辺は省略しました。


>ハク海岸

鳥取市内にある白兎海岸が由来になっています。先にも説明しましたが、この海岸が因幡の白兎の舞台であったと伝えられています。

また、白兎海岸の近くには因幡の白兎を祀った白兎神社があり、同時に道の駅も整備されています。白兎海岸を訪れた際には、道の駅で休憩しつつ、白兎神社でお参りするもの良いかもしれません。


>カナヅチ頭

名前から分かると思いますが、シュモクザメがモデルになっています。因幡の白兎でも鮫が登場しますが、やはり現代になっても鮫はいるようです。

特に2001年の夏頃、鳥取の海岸に鮫が出没したニュースが報道された際、シュモクザメが泳いでいる映像には驚きました。当時は「うわっ!ガオハンマーヘッドじゃん!」言ったりしたものです。ここから今回のモンスターのモデルをシュモクザメにすることを決めました。


以上で今回のあとがきを終わりにしたいと思います。

今後とも「冒険者による風土記」を通じて、楽しく地元の情報発信と物語を提供できるように頑張ります。

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