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Chapter0「取引」導入
「ぅぐ…」
もう声も出ない。俺はここで死ぬのだろうか。
ゴホッ…ゴホッゴホッ…カヒュー…カヒュー
こんなところで終わるなんて嫌だ。
生きたい。
「…だぃ」
生きたい。生きたい。
「ぃ…ぁい」
生きたい。生きたい。生きたい。生きたい。
何度目だっただろうか。意識を手離さないようにと、血が滲むほど噛み締めた口でそう願ったとき。
『そうかそうか。貴様の「生きたい」という強い想い。次元を超えて私の元まで届いたぞ。』
不思議な声がした。地を震わせるような恐ろしい声であったが、
『ならば。私と取引しないか。なに、案ずることはない。貴様が私に差し出すものは、これから貴様の経験するであろう「死」のみよ。その代わりに私の「生」をやろう。悪い条件ではないであろう』
どこか妖しい魅力のある不思議な声だった。
Chapter0 「取引」




