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テスト前

「なぁ、夏樹よ、あと1ヶ月で夏休みだよね?」

「そうだな、友よ。だがお前に夏休みは来ないかもしれないな…」

「え?」

「お前なぁ…夏休みの前に期末試験あるだろ?あれ赤点の人は夏休み補習あるんだよ」

「……」

「お前今のままじゃ夏休み来ないかもな」



夏の日差しが強くなり、俺は今図書室でまったりと過ごしていた。

ただし、隣の友はまったりなんてできない状態に追いやられている

夏休み前にある期末試験。そこで赤点をとったら夏休みに補習があるのだ

こいつの成績はよく知っているので焦るのがよくわかる


「あと、期末試験までどんくらいだっけ?」

「えっと、あと2週間あるかないかぐらいだな」

「あれ?もしかしてけっこうある?」

「ないな、この学校の試験の難しさ受験でわかってるだろ」

「うっ……」



俺たちの通ってる学校の偏差値は周りと比べるとかなり高いほうなのだ。

そのため、少しでも試験で手を抜いたら一気に点数が落ちてしまう



「中間はでも…」

「お前、中間と期末が同じなんて思わない方がいいぞ」

「なんで?」

「そりゃ中学まで習った範囲が中間。高校の範囲まで期末は含まれるんだぞ」



一瞬希望を持ちかける進藤だったが、一気に絶望することになってしまった



「夏樹、俺に勉強を教えてくれないか!?」



こいつ、とうとう俺に頼ってきやがった…!

いや、まぁ別に構わないんだけどな…



「はぁ…しょうがないな…わかったよ」

「さっすが!我が友よ!いや、学年1位!!」

「まぁ、そのかわり赤点とったらわかるよな?」

「わかってるって!」



俺は呆れたように言った。どうせこうなる展開わかってたし…

ホント、こいつの変わり身の速さには驚くわ

ちなみに俺は中間で学年1位、入試でもトップの成績を残している。

自慢という訳ではないし、多少優れていたところで油断する訳にはいかないので、しっかり勉強することにしている



「あ、そうだ夏樹。どうせならさ、陽葵と花咲さん誘わないか?」

「ん?陽葵はわかるけど、なんで花咲もなんだ?」

「あの人転校生だろ?ここの編入試験受かるって相当頭いいだろ?あとは、夏樹の進展の方も…」

「おい、最後のは余計だ」

「へいへい」



一言いつも余計なんだよ…

でも、たしかに花咲は頭いいからな…なんの問題もないだろ



「じゃ、そういうことで俺は陽葵を誘うから夏樹は花咲さんしっかり誘っとけよ」

「え?」

「当然だろ?家隣だし。俺そこまで接点ないし…もしかしたら気づいてもらえるかもよ…なつくん♡」

「こいつ…」



たしかに、進藤と花咲は喋ることなんてほとんどないし、陽葵は進藤の彼女なので誘う分には何も問題ないだろうが…

え?俺が直接誘うのか?

順当に行けばそうなのだが…現に提案してきた進藤が「絶対に誘え」という圧をかけるので逃げられない

てか、こいつのテスト対策なのに…



「ぐっ…あとでなんか奢れよな」

「わかってるって」



最終的に俺が折れて花咲を誘うことになった

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