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短編クソ小説総集編  作者: 丸々。
5/9

楽しい面接試験だよ

「次の方どうぞ」


「我が名は斉藤! この世の摂理を正す者なり!」


「フハハハハ! よく来たなぁ斉藤! この面接官直々に相手してくれるわぁ!」


「いやあの、ちゃんと面接やってください」


「テメェこら斉藤オイ」


「なんすか、採用っすか」


「よくもそんな口聞けたな帰れや」


「俺たちの面接はこれからだ!」


「そのフリだと終わるよね面接。ていうか不合格だからかえれや」


「フフフ……所詮、俺は四天王の中でも中間ぐらいのパゥアァだ……後に控える田中とバハムートを超えられるかな……?」


「この面接資料嘘じゃなかったのかよバハムートってだれだよこれただの面接だわ!」


「シャ・ラップ! 貴様はここで死ぬ定めなのだぁ!」


「わかったから斉藤は帰れ! 二度と来るな!」


「ば、馬鹿な……この俺がアアアァァッァアアアアアア!! ……失礼しました」


「本当に失礼だったよ君は」


「失礼します。番号238のバハムートです。よろしくお願いします」


「キャラ間違ってるだろ斉藤と性格入れ替えろ」


「あの、ちゃんと面接してください」


「あ、はい。……趣味は何ですか?」


「文明崩壊させる事です」


「よし、帰れ」


「つ、次はちゃんと応えますので!」


「……では、学生時代に打ち込んだ事は何ですか?」


「はい、学生時代では、王都に豪火球を打ち込みました」


「本当に帰れやそもそもバハムートが面接受ける時点でオカッシイんだよクソが! やってられるか!」


「早まるな! 面接官!」

「貴様は……斉藤! 何故戻ってきた!」


「バハムートめ、ぶっ殺すしてやりましょうか!」

「日本語が不自由だぞ斉藤!」


「悪いバハムートじゃないです」


「そうか。じゃあいいや」

「諦めるな斉藤!」


「うっ……文明を崩壊させたい衝動が……! これがバハムートの血筋……! みんな俺に近寄るな! 傷つけてしまう……!」


「おっまじか。近付こ」

「やめろ斉藤!」


「グオアアアアアアアアアアア!」


 面接は終わった。終わったのだ。邪悪なる龍との激戦の末、平和が訪れた。


 かの者の名は斉藤。偉大なる、勇者の生まれ変わりとして生を全うした、正真正銘の英雄であった。


 彼を称えよ! さすれば、邪悪なる龍は二度と復活せぬ!



「グオアアアアアアアアアアア! 幾千年の時を経て完全復活したぞおおおお!」


「我が名は斉藤! 共に世界を征服しようではないか!」


「いやです」


これっくらっいのっ

おべんとばっこにっ

おっにぎっりおっにぎっりちょっとつっめてっ


我が手中に収まれ、永遠なる常闇よ。ノアの方舟を沈没させ、エデンの箱庭を焼き尽くせ。


天変地異の災いを、因果応報の報いを。今宵の贄となりて、供物となりて、天地創造の絶対神の戯言を真実とせよ。


白銀に輝く穀物を煮立たせ、意気阻喪なる怪魚を燃やせ。沸騰した熱水には細切れにさせた魚類を浸透させよ。


大地に根付く緑色の生命を詰め込み、森羅万象と入り乱れよ。


火加減を誤ってはならぬ。一つの愚行が火傷となるであろう。


煙を立たせる穀物を隙間なく詰めたならば、栄養バランスを考えた有象無象を無雑作に並べよ。



最終。それを我が腹へと流し込めた暁には、絶えぬ飢えが治まるであろう。


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