第23話
第23話1回目
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「行くぞ!」
「おお!!」
現状安全地帯となっているボス部屋前の前室からボス部屋に続く巨大な扉を開け、津波や土砂崩れのように冒険者たちが流れ込んでいき、ボスが出てくるまでの十数秒の間に可能な限りスキルを発動し、準備を整えていく。後衛魔法攻撃組達はすでに詠唱時間の長い高威力魔法の詠唱を開始した。
それを見ている俺はというと、特にスキルを発動していない。正確にはアクティブスキルの発動をしていないというべきだ。当然のことながら引きこもり一歩手前と周りから言われるほどにゲームにのめりこんできた俺は、キャラクターレベルはカンストしており、各種レベル制スキルはカンストしていたり、それに近い状態だったりする。数々の期間限定イベントクリア報酬のトロフィーやファッションアイテムの勲章やリボンを大量に持っている。
結果、スキル取得上限がないがゆえに大量に取得しているパッシブスキルの効果もすさまじいものになっている。そのためわざわざアクティブスキルを発動するまでもないものが多い。
一番強力なパッシブスキルは兵士スキルLv.999だろう。効果は「全ステータス+25% 全スキル効果+15% アクティブスキル発動コスト-50%」となっている。全ステータスの中には攻撃力も含まれている。このスキルの影響で.22LR弾ですら.38SP弾と同等の威力となるのだ。ただ、ゲーム内では合計取得スキルレベルでクラス分けしていて、そのクラスごとにマッチングするような形式であるため敵のHPや防護力もそれ相応に上昇しているから実感することはまずないのだが。どちらかというと歩行速度や対物貫通力の上昇によって裏取りや遮蔽物越しの射撃がやりやすくなるというのが実感できる効果だった。
次に効果的なのは乾坤一擲というパークだろう。パークは非レベル制パッシブスキルのことで、熟練度を1000まで上げることで初めて効果を発揮し、熟練度999以下の時は全く効果を発揮しない。こういった特性からパーク型スキルは後回しにするプレイヤーが多い傾向にあるのだが、この乾坤一擲というスキルだけは別だ。効果は簡単で「アクティブスキル効果時間+25%、アクティブスキル効果+50%、アクティブスキル発動待機時間+25%、アクティブスキル発動コスト+80%」となっている。アクティブスキルの性能を全体的に上昇させる。
デメリットとしてリキャストタイムが25パーセント長くなってしまうが、アクティブスキルの標準リキャストタイムは1分前後が多く、15秒程度長くなったところで困るような使い方をしているとSP収支をプラスにすることはどうやっても無理であるし、そんなに短期間に何回も発動するようなものでもないことからあまり関係ない。一応発動コスト⁺80%というのがきついとされているが、イベントクリア報酬で発動スキル低減効果付きのアクセサリーが出てくることが多いことから、パーク系スキルを有効化できるほど遊んでいれば問題にならないことが多い。
このように強力なパッシブスキルがそろっているから、わざわざ発動時間管理が面倒くさいアクティブスキルを常時発動できるように使用計画を立てるのもばからしくなってくる。
一応、そういった面倒くささから解放してくれる、スキルプランニング&キャストアシスターという公式外部ツールがあったのだが、現在は利用不能だ。というか、公式非公式問わず、外部ツールやMODの類はすべて使用不可となっている。日々の何気ない動作でプラットフォームがPCのゲームがどれほど恵まれているかというのを再認識するはめになる。CS機ユーザーは外部ツールやMODを使わずにプレイしているのだからすごいなと思うが、同時にマゾなんじゃないかというかなり失礼な感想も抱いてしまう。




