表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
19/23

第19話

第19話1回目

……………


 あれから2週間がたった。攻略は第3階層まで進み、ボス部屋の前室と思われる大部屋を見つけたのが状況を一変させた。


「前室を見つけた者がボス攻略に参加するのはギルドの伝統だから」


 そのことを報告したときに言われた言葉がこれだ。伝統とか不文律とかを無視するのは良くない。というのは俺の短い人生でも実感を持って言えることだ。だから参加しないという選択肢は無い。


 問題は、どの程度の情報開示を行い、情報流出を許容するべきか…。


「ちょっといいかな?」


「はい。少しなら大丈夫ですよ」


 声をかけてきたのはストリピタルを中心に活動するダンジョン攻略専門の冒険者集団“ガーデン”のクロスボウ隊隊長を務めるキプリングだ。なお家名は知らない。平民にはないから。ではなく誰も話してくれないからだ。


「正直に言うと私は君がほしい」


 ???


「あぁ、勘違いしないでほしいのだが、ただ純粋にガーデンにスカウトしているということだ。別に性的な意味はこれポッチもない」


 確かに高威力高初速高命中長射程の攻撃を連射可能っていう時点でクロスボウの完全上位互換であることは疑いようがないし、その上インベントリーの輸送能力や地図作成能力まで加わる。


「…申し訳ございませんが、もう少し一人で冒険してみたいのです」


「やっぱり駄目か。…まぁ、最初から分かりきっていたことだからね。ありがとうわざわざ面倒臭い話をしてしまって悪いね。じゃあ、また後で」


 そう言って、直ぐにスカウトを取り下げ食事処に歩いていった。どこか嬉しそうな足取りに違和感を感じたが、おおかた自分よりも優秀なやつが自分から断ってくれて良かったと思っているのだろう。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ