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箱庭少女育成計画  作者: 眠る人
いおり
9/100

3 すき ④

「うー、寒っ!」

 外は雪こそ降る事はないが、気温は冬そのものでかなり冷える。


 1年中同じ気温にする事も可能らしいけれど、人が暮らしていた環境を再現した方が、その事に対しての対策をするようにさせるためにはいいらしい。


 種の多様性がどうこうと説明されたけれど、小難しい事は僕にはよくわからない。


 今僕が考えるべきはそんな事じゃなく、イオリについてだ。この計画で一番要になっているらしい。

 僕は便宜上、ノアの方舟計画と勝手に名付けている。呼び名に意味はないらしいけど。


 種の保存と惑星間移住が目的らしくて、僕たちが住んでいた地球はすでに無く、生き残った人はここには僕ただ1人。

 そんな目的なら、つがいで確保すればいいのでは?と質問もしたんだけれど、寿命に対して妊娠出産の適齢期が短く、性成熟にも時間がかかる事。また、方舟が建造された時と厳密に同じ種では無いため、どの様に成長するのか、どの様に継承していくのか等のデータを得るための被験体として僕が選ばれたらしい。


 他にも色々説明されたけれど、突然の事で僕には何を言われていたかわからなかった。聞けばまた説明はして貰えるだろうけど、今聞いた所でどうせ理解なんて出来やしない。

 そんな事に時間を割く必要性は今はなくて、イオリについて考える事が僕には大事なんだ。


 僕がここに来てもうそろそろ2年になる。日付は僕の持ってきたタブレットと、スマホがあるから正確だ。丁度買い替えたばかりだったからまだ暫くは使えるはず。


 また横道に思考が逸れた。イオリについて、人なんだけれど遺伝子操作と薬剤で、病気に強く、また肉体的にも頑強かつ、成長速度が何倍も早くなっている。


 肉体的な老化も。ある程度の年齢で止まるらしい。

 知的生命体特有の情緒面での成長、妊娠出産、育児についての情報を得るために作られた存在。


 それがイオリ。


 そして、僕の伴侶となるための存在。そう、子供が作れるって事。

 だから、あの質問は最初の分岐点だって、僕は感じたんだ。


 このまま父親みたいに振る舞うのか。はたまた、一生を添い遂げるための相手として扱うのか。

 その最初の選択を迫られたと思ったから、僕に覚悟が必要だったんだ。


「はぁ、僕はどうしたらいいんだろ。」

 ため息を漏らしながらそんな言葉を一人呟く。


「来るべき時が来たって感じかな。」

 そう続けて独り言を洩らすと、また思案する事にしたんだ。


 何故か僕の恋人だった人の面影、それどころかかなり似ている事について以前質問したのだけど、それは遺伝子操作等での偶然らしい。

 そんな事あり得るのかと聞き返したものの、それ以外無いとの返答だった。

 そこはまぁいい。そうなってしまったんだから受け入れるしかない。


 イオリに対して僕がどう思っているか、その答えを考えよう。

割と情報量多目回のため短め

どこで区切るか悩みますね。

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