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箱庭少女育成計画  作者: 眠る人
いおり
8/100

3 すき ③

3話後半開始です。

 それから何日か経ったある日。朝ご飯の支度をして、2人で食べようとしていた時、日常になったイオリの質問かがきた。


『ねー、ご主人さま?少し聞きたい事があるんですが。』

「何かな?」


 夏以降質問の仕方が変わってきたなぁと思いながら、イオリに聞き返す。以前はコレ何?アレは何?と直接的な聞き方だったが、最近は会話での質問も増えてきた。


『前にご主人さまが言っていたクリスマスの説明と、最近見たアニメでのクリスマスの意味がちがう気がするんですけど。』

「うん?どう違うの?」


 ちょっとよくわからないな、何が言いたいんだろう?


『えーっと、前にご主人さまはクリスマスは家族で一年の終わりに無事に過ごせた事をお祝いするものだよって言ってましたけど。』

「うん。」


『最近見たのだと、なんかちがくて。』

「何が違うの?」


 あれ?これって。

『上手に言えないんですけど。』

「ゆっくりで大丈夫だよ。」

『その、男の子と女の子が家族でもないのに、いっしょに遊んだり、あと、その・・・』

「うん?」


『好きって言って、ぎゅーってしたり、ちゅーしたりしてるんですけど、これは同じなんですか?』

「同じって?」


『私がご主人さまにぎゅーってしたりするのと同じことなのかなって。』

 やっぱり。

「なるほど。そういう事か。」


 今、情愛と親愛についての質問が来るなんて想像してなかった。これ下手をすれば計画に影響出るんじゃないかな?


 最近、情緒面の成長が早いなって思っていたから、いずれはこんな事があるんじゃないかと危惧していた。それがいざ現実になると、すぐ答えるのが難しい。


 うーん、と唸っていると、イオリも少し困ったような表情になり僕に答えを促す。

『どうなんですか?』

「ちょっとだけ待ってくれる?」

『はい。』

 さて、どう話をしていいやら。


「とりあえず、ご飯食べちゃおうか。」

『はい・・・。』

 渋々といった感じでイオリは朝食を食べ始め、僕もそれを見ながら自分の分の朝食に手をつける。


 なんとなく気まずい空気が食卓を支配し、中々食事が喉を通らない。困り顔の2人が顔を突き合わせ、黙々と朝食を摂る。

 何時もの反応と違う僕を見て困惑するイオリと、イオリの質問に対して、成長を喜ぶ気持ちはあれど、どう答えるかを思案する困り顔の僕。そんな空気を変えたくて、僕は口を開く。


「ねぇ、イオリ?」

『はい、何ですか?』

「その質問には必ず答えるから、少しだけ時間を貰えるかな?」


『そんなに難しい質問でしたか?』

「難しいというより、イオリが気付いたように確かに幾つか意味のある質問なんだよ。でも僕自身がそれを上手く説明出来ないんだ。」

『んー?』


 イオリがよくわからない時に出る口癖なんだが、僕も男女間の親愛と情愛、家族間での親愛の説明なんてすぐ出来やしないよ。


「だから、答えるのは時間をくれないかな?」

 僕自身の覚悟も必要だし。


『わかりましたけど、何時になりますか?』

「いや、明確に何時答えれるとかはわからないんだ。何日もかかるかもしれないし、もっと時間かかるかもしれない。』

『えー!』

「ごめんね、イオリ」

『はーい・・・』


 納得はしていないようだけれど、僕も時間が欲しい。

そんなやり取りを終え、食事も終えてから、僕は少し1人になりたくてイオリに頼み事をする。


「今日は畑に行ってくるから、1人で後片付けと掃除頼んでもいいかな?」

『はーい。』

 少しずつ分担して家の事もこなせるようになってきたおかげで、考える事が出来そうだ。畑で今必要な作業は無いんだけれど、収穫出来る物が無いか見つつどう答えるかを考えよう。

 そう思いながら外に出る準備をした。

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