表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
箱庭少女育成計画  作者: 眠る人
はじまり

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

76/100

10 けっこん ④

「どんな人達だったんですか?」


 サオリの質問に答える事で、気持ちの整理がつけられるかもしれない。


「サキは何というか、我が道を行くタイプだったかな。あんまり人の話を聞いてない時もあったけど、よく笑って、よく泣いて、性格はイオリと余り似てないけど、細かい仕草とか、アニメの趣味はよく似てたな。髪は黒かったけどね。」


『そうなんですか?』


「うん。小さい頃から一緒だったから、最初にイオリを見た時、本気でノアに怒ってしまったんだ。何故此処にいるんだって。」

『私が憎いですか?貴方の恋人だった人の、命を貰った私が。』

「そんな事、有り得ないよ。イオリが居たから僕は生きようと思えたんだから。」


 憎いなんて思うはずがない。サキと同じ顔していても、イオリはイオリなんだから。そもそも、イオリ達が悪いはずもないのだし。


「あたしの元の人って、どんな人でした?変な言い方になっちゃいますね。」


 サオリは、どうだろう?身長だけなら、多分マコトだと思うけれど。よく考えれば、ミキにも似てる所があって、どっちのクローンって言われても納得できるような。


「サオリは、どうだろう?正直、どっちの友達にも似てて、よくわからないんだよ。顔も違うし。」


「二人居るんですか?」

「うん、性格は二人とも違うんだけどね。身長はマコトって子と同じぐらいかな。もう1人はミキって名前だね。」

 ある部分はミキに似てます。言わないけど。

 マコトとサキは、正直慎ましかったから。何がとは言いませんが。


「兄上!どこ見てるんですか!」

 サオリは恥ずかしかったらしく、胸元を隠す。つい、考えていた事のせいで、サオリの楽園を凝視していたらしい。


『サオリちゃんの大きいですからね。私のも見ていいんですよ?』

 笑顔で僕に凄むのはやめてほしい。怖いよ。


「ごめんなさい。」

『何で謝るんですか!?』

「まぁ、あたしは両方に似てるって事ですね。なら案外お二人共あたしの元になったのかもしれませんね。」


 ノアはそうは言ってなかったけど、そう言う事にしておくか。

 サキの一緒に居たかったって願いは、多分僕とだけじゃないと思うから、マコトとミキも一緒に居ると思った方が、叶った事になるだろう。


「うん。ありがとうサオリ。イオリも、ありがとう。心配かけて、ごめん。」

『何でさっき謝られたのかは後で問い詰めるとして、貴方にとって大事な事でしょうから、仕方ありませんよ。』

「あたし達は居なくなったりはしません。兄上が望む限り一緒にいます。」


 イオリやサオリが居てくれたからこそ、僕の心は救われたんだ。勿論、マホやシホにも。

 サキの願いとは違う形なんだろうけれど、叶えようとしてくれたノアにも感謝している。


「もう一つ、謝らなきゃいけない事があるんだ。」


 そう告げると、僕は立ち上がり、二人に向き合う。

 僕が彼女達に依存して、甘えていた事を素直に話して、謝らなきゃいけない。

 でないと、僕は先に進めないから。


「僕は君達に酷い事をしてきた。自分の心に開いた隙間を、イオリ達と居る事で埋めていたんだと思う。イオリ達の気持ちが心地よくて、ただ甘えていて向き合おうとしなかった。だから、本当にごめんなさい。」


 謝罪と共に、二人に頭を下げる。

 怒られたっていい、嫌われたとしても仕方ない。でも、伝えない限りは、僕は彼女達といる資格はないと思った。


『顔をあげてください、謝る必要なんてないんです。私達は、ご主人様がいるから生まれたんです。なので、甘えたっていいんですよ。貴方のものなんですから。』


「兄上、姉上の言う通りです。あたしだって、1人でなんて生きて行けません。兄上にとって、失ったものが大きかったから、誰かの支えがないといけないくらい、落ち込んでいたんでしょうから、あたし達がその手助けが出来ていたのなら嬉しいと感じはしても、怒ることなんてありませんよ。」


 二人の言葉に、涙が溢れる。


「ありがとう、二人とも。」

 顔をあげて、イオリとサオリにお礼を言う。

 ありがとう、僕の側に居てくれて。イオリやサオリ、マホやシホ全員を絶対に離したくない、そう強く思った。


「兄上、泣かないでください。」

 サオリは指で僕の顔を拭うと、僕の頭を抱きしめる。


『サオリちゃん、ズルいですよ。』

 イオリはそう言いながら、僕の頭を撫でた。


「兄上も柔らかい方がいいでしょうから。」

『サオリ、空気を読みなさい。』


 二人のやり取りが可笑しくて、つい笑ってしまう。イオリ達も僕につられて笑いだした。

 うん、イオリに朝の返事をしないといけないな。


「ねぇ、イオリ?」

『なんでしょう?』


 唐突に呼びかけられた彼女は、首を傾げながら聞き返す。


「指輪は今はないけれど、僕と結婚、してくれないか。」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ