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箱庭少女育成計画  作者: 眠る人
はじまり

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10 けっこん ②

 朝食の際、今日一日だけ一人にして欲しいと告げた後、食卓は静かだった。

 イオリやサオリだけでなく、マホやシホにまで、暗い表情をさせてまで、聞かなきゃいけないのだろうか。

 取り戻せない事なのに。


 朝食を終え、家を一人で出る。

 行ってきますとは言ってきたけれど、目的地があるわけではなかった。

 大声を出しても、誰にも聞こえなければいいだけだから。


 ふと、お花見をした場所を思い出して、そちらに足を向ける。

 桜の広間に到着すると、木は葉が茂り、これはこれで綺麗だと思えた。


「ノア、聞きたい事がある。」

 〈はい。恐らく、そのために一人になられたのだと思っておりました。〉

 想定していたって事か。


「君は以前、僕にイオリがサキに、僕の恋人だった人に似ている事は偶然だったって言っていたけれど、僕にはそうは思えない。ノアは何か知っているんじゃないのか?」


 少し、漠然とした質問になってしまったけれど、冷静に努めるにはこう言うしかなかった。命を奪ったんじゃないかって疑問を口にするだけで、感情が暴発しそうだから。


 〈はい。貴方の想い人の最期を看取ったのは私です。貴方がこの船に来たのも、その事と無関係ではありません。〉


「最期を、看取った?僕がここに来た事とも関係があると?」

 予想した最悪ではなかったけれど、理解が出来ない。


 〈貴方の想い人は大規模破壊兵器によって起こされた地震に巻き込まれ、死亡しました。その場所は偶然、この船が眠っていた場所の上にありました。むしろ、この船があったせいで地盤が多少弱くなっていた可能性はありますが、その兵器の目標は間違いなく、商業施設でした。〉


「それは以前にも聞いた、星が滅びた原因、だったかな。」


 にわかには信じがたい話ではある。だが、そうで無ければこんな事に意味は無いから、事実なんじゃないかとは思う。


 〈はい。もしかしたらこの船があった事が、測定で数キロの空洞があると誤認させたのかも知れません。その為に、標的になった可能性があるので、私に関係が無いとは言えません。〉


「それはノアのせいじゃないよ。そんなものが使われるなんて誰にも想定なんて出来るはずがない。でも、サキとイオリが似てる事の説明にはなってないよ。」


 彼女が地震に巻き込まれた事は事実なんだろう。でも、それとこれは別の話だ。


 〈はい。破壊兵器が使用された時、船に設定されていた計画に基づき、浮上をする必要がありました。その為、せめて人的被害を出さぬよう、地上を観察していた端末で確認をしていた際に彼女を見つけたのです。〉


「それで?」


 〈彼女は奇跡的に即死を免れていました。ですが、長くは持たない状況で、彼女以外の人は地震の際の落盤や、構造物の下敷きになっていました。〉

 〈私が発見した時は地震発生から30分程経過していて、救出も不可能な状況でした。。私は彼女と話をし、その死の間際に、もっと貴方と一緒に居たかったと言った、彼女の願いを叶えたかっただけです。〉


「願いを、叶えたかった?」

 サキの願いを叶えたかった?ノア自身の願望だって事?


 〈私にも作製者が居ます。5000年以上昔の話ですが、私はその方の最期を見ていて、何も出来ませんでした。人が死ぬ光景を目の前で見たのは、二度目です。だから、せめて貴方が計画の対象人物であるなら、彼女の思いを叶えられると考えて、遺体を回収したのです。〉


「遺体を、回収?何故?」

 やはり、イオリは・・・


 〈もうお気付きでしょう。イオリは貴方の想い人の複製体です。確かに調整をしましたが、彼女の卵子と彼女自身の遺伝子を使って作りだしました。〉

 〈理由は他にもありますが、私が何千年振りに話をした人物の、最後の願いを叶えたかっただけなのかもしれません。彼女の最期の音声がありますが、聞きますか?〉


「音声は、いいよ。でも、クローンは作らないんじゃなかったのか!?異常が出やすいから、作らないってノア自身が僕に説明しただろう!」

 今際の際の音声なんて聞いたら、冷静じゃ居られなくなる。ノアの真意を確認するまでは冷静でなければ。もう、冷静じゃないかもしれないが。


 〈最初の説明に虚偽があった事に関しては、本当に申し訳なく思っています。本来なら、複製体の作成は緊急措置でありました。私は、人の感情を理解出来るよう作られていますが、私自身が何故そう考えたのかは、私にも説明が出来ません。〉

 〈貴方に嘘を伝えたのは、ここに来る前の貴方と、来てからの貴方を観察して、彼女の最期を伝える事が怖くなったからです。〉


「僕が悪いって言うのか?」

 僕が彼女の複製を受け入れられないから?


 〈違います!貴方が、自ら命を断つ可能性を感じていたからです。確かに貴方の複製体を作ればいいのでしょうが、それは行いたくなかった。複製体は、同じ遺伝子を持つ別の人物になりますから、彼女の想い人である貴方はせめて、貴方自身のままで居て欲しかった。それだけです。〉


 この会話を始めてから、ノアは何時もの抑揚のない話し方ではなかった。ノアにも感情があったんだな。


「僕の状態を見ていたのなら、そう思っても仕方ないのかもしれない。それにサキがいたから、僕が選ばれたのか。彼女が居てくれたから僕はこうして生きているんだね。」


 〈いえ、彼女の事は貴方が候補者としての要件を満たした場合のみではあります。私にも、決められた計画がありましたので。貴方を此処に連れてきたのは、製作者と同じ日本人であった事や、年齢が若い等の条件を満たしたからです。候補は他にも居ました。〉


 日本人なら他にもいるような?日本に住んでいたんだから、当然じゃないのかな。でも、候補の話は前にも聞いた気がする。


以前クレーターと書いていますが、自分のイメージは陥没孔でした。書いてる時には言葉が出てこなかったので、修正するかもしれません。

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