0 恋人 ③
短いので、纏めたかったですが、描写の都合上分けました。
身体が熱く、息苦しさも感じて目を覚ます。
暗くて何も見えない。
身体も動かせなかった。
一体何が起きたんだろう。
うつ伏せになっている事はわかるが、身体を捻る事も何もかもが出来なかった。
ミキと、マコトはどうしたのだろう。
辛うじて声は出せるため、二人を呼ぶも、返事はない。
『マコト。ミキ。』
もう一度二人を呼ぶために大きな声を出そうとしたら、今まで感じた事のない痛みが全身を駆け巡って、声にならない悲鳴が漏れた。
私、死ぬのかな。まだ、死にたくないよ。
そんな考えが頭をよぎった時、目の前を青白く発光する何かが動く。
『な・・に・・・?』
〈生きていますか?私の声が聞こえていますか?〉
『だれ?』
〈聞こえているようですね。今貴方の状態を確認します。〉
誰かに話かけられているけれど、人がいる様子はない。
青白い光に微かに照らされて見える光景で、私が何かに挟まれている事だけが判った。これは、案内板?
〈貴方以外に、この施設内の生存者は居ません。この施設を中心に周囲数キロ毎、地盤が沈下しています。貴方は偶然硬い構造物の隙間に挟まれ、命を取り留めたようです。ですが・・・〉
『わたし、だけ?』
何とか痛みを堪えて話そうとするが、上手く話せない。
〈はい。貴方だけです。ですが、貴方も長くは・・・。〉
マコトも、ミキも死んでしまったって事?そして、私もやっぱり死ぬんだ。
ごめんね。やっと恋人になれたのに。
キミに、やっと想いを伝えられたのに。ごめんね。
もう、会えないんだと思うと、自然に涙が溢れてきた。
『ごめんね・・・。』
〈私への謝罪ではないようですが、誰かに伝えたい事があるのですか?〉
『彼と、もっと、一緒に、いたかった。』
〈彼とは?誰ですか?〉
『私の、恋人。』
マコトやミキと、彼と、もっと皆で一緒に居たかった。
〈そう、ですか。叶えられるかわかりませんが、貴方の思い人の姿が判るものはありますか?〉
『私の、鞄に。』
段々、意識が遠くなってくる。
〈わかりました。こちらの計画は変えれませんが、もしその方が条件に合うのなら、必ずその方を救うとお約束します。〉
何を言ってるんだろう?彼を救う?
『どういう、事?』
思考も纏まらなくなってきた。
〈今、こうなってしまったのは大量破壊兵器が使用されたからです。地殻が破壊され、今すぐにではありませんが、このままでは・・・〉
頭がボーッとしてきて、何を言われているのか、遠くから聞こえてるみたいでわからないよ。
〈・・・その時は貴方の遺伝子を使わせてください。貴方自身ではありませんが、あなたの思い人と一緒に居られるようにします。〉
私を使う?よくわかんないけど、変な事しなければいいかな。
『うん、いいよ。変な、こと、しないで、ね。』
もう喋る事も、出来そうにないや。
ごめんね。まだ何か言われてるけど、もう、わからないよ。




