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箱庭少女育成計画  作者: 眠る人
ふたり

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28/100

6 おんせん ①

 海に行った後、数日はイオリとサオリが話をしている様子はなかった。

 僕が居る時は、ぎこちないながらも会話はあるんだが、寝室に入ると全く会話が聞こえてこない。元々会話自体は聞こえないんだが、何かを話しているというのは振動が響くというか、くぐもった声が響いていたから。


 結局、何があったのかはわからずじまいで、個別に聞き出そうとしても2人とも口をつぐんでしまい、全く答えてくれない。


 僕はどうにか以前のように仲良くしてほしくて、2人で話合わせる事にした。

「僕は畑へ行ってくるから、必ず仲直りする事。いいね?」

「・・・ 」『でも・・・』

「じゃないと、僕が悲しいんだよ。2人がこのままなんてイヤなんだ。お願いだから、ちゃんと話合ってくれないか?」

「わかりました兄上。」

『はい。』

 イオリとサオリは、覚悟を決めたかのような表情でお互いを見ていた。


 その日どんな会話があったのかは知らないし、聞くべきではないんだと思う。

 二人の問題に僕が過剰に干渉するのは良くないと思ったから、敢えては聞かない事にしたんだ。



 そんな夏の苦い経験は終わり、季節は流れて僕が見る限りでは以前のようにとはいかないが、2人が仲良く笑い合う事がまた増えた冬の頭。


 夏までは僕の膝に乗ってアニメを見ていたサオリだったが、また少し大きくなって、今では隣に座って見るようになり、僕はちょっと寂しく感じていた。あの一件以来僕の部屋でたまに寝ていたのもなくなって、これが父親の気分なのかと思いもした。

 イオリはより女性らしい丸みが出てきて、色気を感じるようになってきた。2人きりになると自制が効かなくなる可能性が高かったが、そんな事はなく畑の手伝いをサオリも本格的にするようになり、いつも3人一緒に行動する事が増えた。


「越冬キャベツって雪降らなくても作れるのかな?」

 そんな無理であろう事を呟きながら、3人でアニメを見ていた。

「兄上?何をぶつぶつ言っているのですか?」

 サオリは僕の独り言が気になったらしい。


「あ、いや、何でもないんだよ。冬のキャベツが美味しいって昔聞いた事があって、それを思い出してただけ。」

『んー?よくわからないですが、あまり無理はしないでくださいね。』

 いや、揚げ物食べてるシーンだから、キャベツはあるでしょう?少しでも美味しい物食べさせてあげたいからなんだけど。


「まぁ、いいか。冬だから揚げ物とか食べたいなー。」

『冬じゃなくても言ってましたよね?確か夏だからーとか。』

「兄上はかぼちゃコロッケとかの揚げ物好きですよね。」

「いいじゃない。揚げ物。」


 僕が少し不貞腐れると、二人でクスクス笑いながら両側から抱き付かれた。

「兄上かわいー!」『ご主人様が拗ねたー!』

 なんなのだろうかこの扱いは。僕は釈然としないものを感じる。まぁ、両腕に幸せな感触を感じるので悪い気はしないけど。


「話は変わるけれど、寒くなってきたから温泉入りに行かない?」

『温泉いいですね。去年も行きましたよね。』

「兄上、温泉なんてあるんですか?」

「うん、そこまで立派な物では無いんだけど、あるよ。」

「あたしも行きたい!」


 正直、去年僕もノアに聞いた時、なんでそんなものがあるのか疑問だった。

 説明では火山の環境再現だとか聞いて、なるほどと思ったりもしたんだけど、今なら確実にわかる。

 絶対趣味で作ってるよ。海の家見たし。冷静に考えれば、非火山性の温泉だってあるしね。


「じゃあ、3人で行こうか。」

「やった!」『はい!』


 そうして、僕達は翌日温泉へ行く事にした。

凝固点降下を起こさせ続ける必要があり、自然の環境だと雪が無ければ温度維持が出来ず、育ってしまったり、冷えすぎて凍結してしまい腐ります。

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