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箱庭少女育成計画  作者: 眠る人
いおり
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0-1 方舟 ①

導入部分です。

 最愛の彼女を失ったと知った日から、自分の全てを持って行かれた感覚に陥り、何事に対しても興味を失ってしまった僕。

 ただただ、抜け殻のように過ごして居た毎日。


 ふと気付くと、真っ白な空間にいた。どこまでも真っ白で、入り口も出口も見当たらない。

 それどころか、身体がふわふわと上に引っ張られていりる感覚だけがあり、自分が立っているのかどうかもわからなかった。


 あぁ、僕も死んでしまったのかもしれない。彼女に会えるかなぁ。

 そんな事を考えた矢先、突然上に引っ張られていた感覚が消え、その代わりお尻にひんやりとした冷たさを感じる。


 ここは何処なんだろう?そんな疑問も湧くけれど、見たことのないような機械に囲まれた部屋に見覚えなんてないので、僕にはわかるはずもない。


 〈貴方は当計画の被験体として選ばれました。〉

 唐突にそんな声が響く。


 女性の声のように聞こえるけれど、抑揚が無く少し違和感を感じる。僕は少し驚いて周りを見渡すが、声の主を見つける事は出来なかった。


「計画?被験体?」

 辺りを見回しながら思わず聞き返しはしたが、何を言われたのかさっぱり理解出来ない。


 〈はい、まず当計画について説明します。〉

「ちょっ、ちょっと待って。キミは誰?さっきから誰も見当たらないんだけど、何処にいるの?ここは何処?」

 いきなり、何かの説明を始めようとした声の主に、状況がわからない僕は、説明を求めた。


 〈当機に特別な呼称はありません。ここは当機の中ですので、貴方はすでに当機を認識しております。〉

「は?」

 何を言ってるんだ?

 〈質問は以上でしょうか。では説明を続けます。〉


「だから、ちょっと待って!・・・えーっと、何で僕はここにいるの?」

 〈計画の被験体に選ばれたためです。〉


「いや、それはさっき聞いたけど。」

 〈では、計画の説明を続けます。〉

 これは、大人しく聞いていた方が状況の確認が出来そうだと感じた。

 〈当計画は惑星の危機に際し、知的生命体の保護、同時に存在する生命体の保護を目的としております。〉


 惑星の危機?生命体の保護?

 〈当該惑星での生命体の居住が不可能となる事態が発生した際に当機は起動、当該惑星に居住する生命体を確保の後に離脱し、新たな居住可能惑星の検索を行いながら航行します。〉


「航行?船なの?」

 黙って聞くつもりだったけど、つい聞き返してしまった。それよりも、すごく恐ろしい言葉が聞こえた気がするんだけど?


「生命体の居住が不可能になった?」

 〈はい、当機は星間航行を目的とした船舶です。当該惑星上にて惑星の運行に深刻な影響を与える大規模破壊兵器の使用が確認されたため、当機は起動。設定されていたプランに基づき当計画を発動しました。〉


 意味がわからない。


 〈当計画は幾つかのプランがあり、第一段階では当該惑星に居住する生命体の確保、これには植物等も含まれており・・・〉


 説明は続いているが、僕の頭には何も入って来なかった。だってそうだろ?地球は滅びたって突然言われて、理解なんて出来るわけがない。


 〈第二段階以降はかなりの期間を要します。まず第二段階では、第一段階で確保した生命体を保護しつつ居住可能惑星を検索しながら星間航行を行います。現段階は第二段階に該当します。その際、生命体にとって有害となる放射線の影響を抑えるための改良もこの段階で施します。〉


 改良って言葉だけははっきり聞こえた。

「改良って、改造されちゃうって事?」


 〈違います。急激な変化は別の種となりますので、当計画の望むところではありません。その際の悪影響なども懸念されるため、あくまで環境に適応するために人為的な調整を行うものです。〉

 それ改造と違うのかな?


 〈改良に関して、短期間での耐性付与ではなく、世代を重ねる事での耐性の獲得を促す調整となります。〉

「あぁ、なるほど。進化を促すって事か。」

 〈その認識で問題ありません。〉


 〈続いて第三段階になりますが、こちらには最低でも数百年かかるとの結論が出ております。居住可能惑星を発見後、入植をし再び種の繁栄をさせる事が目的となります。〉


 なんか情報量が多すぎて頭痛くなってきたが、僕は生きていないだろうから、どうでもいいや。


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