15-2話
幾らみかじめ料金が低く稼ぎの効率が悪いと言っても、西街にも以前からシマ割は存在していた。
そんなファミリー達もルカ達が目立って来ていたので粛清へと乗り出しはじめる。
「お前ら誰の許可を貰って、勝手に商売をしよるねん!! この筋から西側はブリングファミリーのシマやぞ。分かったらさっさと消えろ」
「あん? 何だとコラ。誰のシマなんか関係ねぇぇんだよ。俺達はみかじめ料なんて一切貰ってねねぇぇだ。 一般市民が普通に街を歩いて何イチャモン付けてきてんだよ」
「何がみかじめ料を貰ってないやねん。調べはとっくに付いとるんじゃ。喧嘩仲裁料っちゅう名目で金受け取ってるやないか!!! 形変えただけで通用する様な甘い世界じゃないぞ!」
「うっせぇぇな。さっきから小鳥がピーチクパーチクとよ…… だったらどうすんだ?」
「おう。実力で追い出したら!! おらぁぁぁ」
口上のやり取りを終えたレオンとブリングファミリーは衝突を始めた。
衝突といっても、一般市民も通行している街中である。
もちろん剣などで斬り合う馬鹿はしない。
流石に殺人を犯せば市民が騒ぎ出し、憲兵の取り調べも強くなる。
憲兵に捕まれば、決められた罰則に従い罰金を払わされたり、強制労働に送り込まされたりもする。
なので素手がメインの喧嘩だが、簡易な武器はしようする。
簡易と言っても木刀などで殴られれば骨折もする為、気を抜けない激しい乱戦となる。
しかしレオンに鍛えられた【レガリア】のメンバーは圧倒的な攻撃力で、同数の【ブリングファミリー】の兵隊を短時間で壊滅していた。
「ぐぅっ。俺達相手にこれだけの事をやって、タダで済むとは思ってねぇだろうな!! 抗争をおっ始める積もりか!?」
吐血しながら、負け惜しみを吐く。
「抗争? そう言えばこっちがビビるとでも思っているのか? いいかよく聞けよ俺達は二度と引かねぇんだ。いつでも相手してやっからかかってこいや」
「いい度胸だ! 覚えてろよ。【ブリングファミリー】の名を傷つけたお前たちに未来はないからな」
「ギャハハハ。バーカ。まだ言ってやがる。そんな捨て台詞に俺達がビビるかよ」
レオンは捨て台詞を吐いてさる男達を笑い飛ばす。
この日の一件から【レガリア】は一部のファミリーにマークされる事となる。
★ ★ ★
今日は南方地方最大の連合組織ガレスファミリアの定例報告会の日だ。
会場は二十畳ほどの大きな部屋で豪華な装飾が散りばめられている部屋には長机が設置されていた。
その椅子に十一人の男女が座っている。
男性が九人で女性は二人と言う構成だ。
長机の上座には高齢の男性がジッと下座に座る者達を見据えていた。
進行役の次席の男が声を発する。
「以上が定期連絡だ。何か意見がある奴はいるか?」
今回の月例報告会は大きな報告も無かったので、このままスムーズに終わるかと思われていた。
しかし一人の男が手をあげて、発言の許可をとる。
「ん、何だベルモンド意見があるのか?」
「いや、意見はないが一つだけ気になる事があってな。最近、西街で威勢の良い奴等が暴れ回っている事は知っているのか?」
ベルモンドと呼ばれた五十歳前後の男性は神妙そうに言う。
「威勢の良い奴等? 西街の一部は俺のシマ内やが、そんな報告はまだ入って来てない」
「けっ!? これだから平和ボケした奴はアカンねん」
「なんだと!? おい!! 誰に向かって言ってるかわかっているんか? 喧嘩売っとるなら買ってやんぞ!!」
「待たんかい。誰も兄弟に喧嘩を売ってる訳やないで、だだな。兄弟はちょっとお気楽すぎるんと違うか? その餓鬼共にワシの所の兵隊もやられてんだぞ。南方最大組織のガレスファミリアに喧嘩売った事をしっかりと教えてやらなアカンと違うんか?」
「よぉーわかったわ。そこまで言うなら、そのガキ共の事は調べてみるわ。一応言っとくが、この件はワシのシマ内で起こった話しやから、ワシが仕舞いつけるからな!! 全員手出し無用でたのむで」
ルカ達の知らない場所で、巨大な敵が動き出そうとしていた。




