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13-3話

 ルカとレオンはその日から昼夜問わず、街中を歩き回りターゲットを探し始める。

 歓楽街にはちょっとした区割りがあった。

 それは店のランク分けであり、客層の区分けだ。


 裕福な者が通う店には高級感溢れる雰囲気の店構えと、知的で美しい女性が多く働いている高級な店が建ち並ぶ東街。

 もう一つは格安な店が並び、誰でも入れる酒場や大衆食堂が多い市民階級がメインに通う西街だ。

 西街は店の女性も東街よりランクは低いが、その分少ない金で飲み歩く事が出来るので客付きは悪くない。


 ルカ達は西街をメインに歩いていた。西街は低価格が売りな店が多い為、ファミリーがみかじめ料を取ったとしても大きな金額は取れなかった。

 その為ファミリーも小遣い程度の収入と見越しており、東街に比べると仕切りも甘い。


 ルカはそんな西街に目を付けていた。

 みかじめ料という形ではなく別の形で収入を得る方法も既に考えついている。


「おい、ルカ!! あそこにいる奴等、そうじゃねーか?」


「どれどれ? おう、いいじゃねーか。馬鹿丸出しで元気が有り余ってそうだな。さっそく始めるか!!」


 ルカとレオンはお互いに腕もグルグルと回し、準備運動をはじめた。

 前方には原因はわからないが、喧嘩を始めてた若者達の姿が見える。

 戦後間もないこの時代、若者達は力を持て余し、日頃からストレスを溜め込んでいる。

 そんな鬱憤は小さな出来事で簡単に爆発し、若者達は喧嘩に明け暮れていた。

 

 運良く憲兵が駆けつけて来れば彼等は連行され事は収まるが、そうでなければ被害が拡大する一方だ。

 周囲の者達も迷惑そうな顔を浮かべている。

 そんな十人入り乱れての乱闘に、何処からともなく現れた二人組が圧倒的な力で次々と喧嘩をしていた者達を行動不能へと追い込んでいく。


 道行く者もあっけにとられ、見世物でも見せられている気分だ。

 全員が戦闘不能になるまで掛かった時間は、ほんの数分程度だった。

 

 彼等の戦意が折れた毎を確認した二人は、本来の目的を達成するために行動を始める。


「おらぁぁぁ。おめぇぇら、喧嘩が好きなんだろ? そんなものか!? もっと楽しもうぜ」


 レオンの鋭い前蹴りが相手の腹に食い込む。


「ぐふぅっ!! もぅ。もう許してくれよ!!」


 倒された男が傍にいたルカの足に縋りつく。


「情けねぇ事を言ってんじゃねーよ。もう少し気合をみせてくれよ」


 ルカは男を蹴り飛ばした後、首元を掴みむと力づくで立ち上がらせる。

 そして強烈なビンタを一発叩き込んだ。


「なぁ、おい!! さっきの教えただろ? どうすんだよ? 見た所、お前がこいつ達の大将なんだろ?」


 殴られた男は一方的にやられた悔しさから、歯を食いしばっていた。


「聴こえねぇのかよ。おい!?」


 次はボディブローを一発ぶち込む。男の体は九の字に曲がり倒れそうになったが、ルカに支えられ再び立たされた。


「お前男だろ? ならハッキリ決めろよ」


 再びビンタを噛ました後、睨みつけていると、男は覚悟を決めて姿勢を正した。


「わかりました。俺達は今日から貴方の仲間にならせて貰います。俺達の事、よろしく頼んます」


「おう!!」


 ルカとレオンは夜の街や店中で暴れている若者達を見つけると、力づくで叩きのめし見どころのある者は片っ端に仲間へと引きずりこんでいく。


 そして店側には乱闘を治めた事で恩を売り、少額の謝礼を手に入れ生活費を確保していた。

 

「それにしてもルカ大丈夫か? 俺たちが暴れまわった店はどこかのファミリーの庇護下に入っているんだろ? なら俺たちが横槍を入れたら、また前と同じになってファミリーが喧嘩を吹っ掛けて来るんじゃねーか?」


 レオンはルスカファミリーとの抗争を思い出し表情を曇らせた。


「なに、そこの所は調べは付いている。ファミリーの奴等が大切なのは、金づるの高級店が多い東街だ。客も市民階級しか来ない安い店ばっかりの西街の事なんて見向きもしていない筈だろ。しかも俺達がやっているのは、本来ならみかじめ料を貰っているファミリーがやるべき仕事だ。それを怠慢で放おっているいる奴らが悪い。逆にこっちはファミリーの仕事の手助けをしてやってるんだ。何も気にする事はない。奴等にとって敵対行動とはシマを奪う事だ。金の収入源…… みかじめ料を横から掻っ攫ったりシマを奪わなけりゃ、ファミリーの彼奴等も無駄な喧嘩はしないはずさ」


(今度は失敗しねぇよ。どんなに巨大な敵が来てもいいよに、俺も同じだけ力をつけて、大きくなってやる。そして最後には母さんを見殺した。親父とあの糞女を必ずぶっ潰してやる)


「へぇ、そんなもんなのかよ?」


「そんなもんだよ。それより。さっきもらった謝礼金で飯でも食いに行こうぜ。お前らも一緒に来いよ」


「まっ。頭の悪い俺にはわかんねぇけどよ。信頼してるぜ大将!! ほら、いつまでも地面に転がってねぇーでよ。さっさとたてよ。俺達の仲間になったんだろ? 気合入れていかねーとついてこれねーぞ」


 ルカはアルバート伯爵家での出来事を思い出して、拳を握りしめた。

 レオンは騒ぎを起こしていたのを見つけたので、叩きのめして仲間にした若者を叩き起こす。


「へっへい!」


 その後もルカとレオンは社会に馴染めず力が有り余っている若者達をガンガン吸収していく。

 戦争が終わり成長途中の帝国は不公平がそこら中に存在していた。

 金や地位のある奴ばかりが優遇され、いくら働いても日銭しか稼げずに嘆いている者や、そんな帝国を嫌い暴れる者も多くいた。

 ルカ達の組織はたった数ヶ月で五十人を超える大きな組織へと成長させていた。


「どんどん力をつけて、誰も手出しだデキない組織を作ってやる!」


 手応えを感じ取ったルカは次の一手に踏み出す。

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