13-1話 新天地
ルカとレオンは街から街へと逃避行を続け、今は首都から馬車で一ヶ月ほどの距離にある帝国で三番目に大きな都市。
第二十区にある巨大商業都市【フィエゴ】の街に来ていた。
この街は商業の街としても有名で大陸の最南端に位置する。
大きな港を有し、帝国の南方最大の流通拠点と呼ばれている。
この港には連日国内外様々な物資が溢れ、フィエゴの街は日々発展を続けていた。
そんなフィエゴの夜の街は、他国の人間も多く滞在している為、異国情緒豊かで活気にあふれている。
道行く若い男女が陽気に肩を寄せ合い歩き、仕事帰りの屈強な男達は楽しそうに歌を歌う。
レオンは観光客気分で周囲をキョロキョロしながら街の雰囲気を楽しんでいた。
「うっはぁ~ なかなか賑やかな街だな。なぁルカ、今日はどうする? どこか適当な店に入って飲むか?」
「そうだな。それでも良いんだけどよ。レオン、ちょっと良いか? この街に来てからずっと考えていたんだけどよ。なぁ、俺達この街から再出発してみねぇか?」
「どうした? この街には何かあるのか? まぁ…… 別に俺はお前となら何処だっていいんだけどよ」
「実は、この街は死んだ母さんの出身地でもあるんだよ。だから再出発するならこの街しかないと俺は思っているんだ」
「へっへっへ。そうかぁ、この街がルカの母ちゃんの出身地…… ならこの街しかねぇよな。おう。もちろん俺は大賛成だぜ」
レオンにとって全く関係のない理由だと言うのに、屈託のない笑顔を浮かべながら二つ返事で了承していた。
そんな裏表の無いレオンの性格にルカは何度も助けられている。
目的地も予定も無かった二人の逃避行はついに終わりを告げた。




