12-1話 ファミリー壊滅と新たな旅立ち
「突然だが邪魔させてもらうぞ。アンタがルスカファミリーのボスなんだろ?」
ドアを開いた瞬間、ボロ雑巾とかしたローランを投げ込んだルカとレオンが入り込む。
部屋の中で年齢50位の恰幅のよい男が何事かと顔を上げた。
男は高価な指輪を何本もはめており、葉巻を吸いながら高級机に踏ん反り替えっていた。
「何だお前達は!? 他の者達はどうした? 侵入者だ。早くこいぃぃぃ!!!」
「ここに来るまでに居た雑魚は全員倒させてもらった。そんな事より俺達はこの男に殺されかけたんだよ。あんたこの男の親なんだろ? どう責任をとってくれるんだよ?」
「責任って一体…… えっローラン!? あぁなんて姿に…… これはどういう事だ?」
「何を被害者ぶった事を言っているんだよ? 俺達を悪党の様に言うんじゃねーよ。最初に手を出してきたのはあんた達の方だろ。それにこっちは素人の女にまで手を出されて、もう後に引けねぇぇんだよ。どう責任をとるつもりなんだ。おい!!」
ルカはドスの利いた声で叫ぶ。
「責任だと!? お前達は俺にどうして欲しいんだ? 金か? 金が欲しいのか?」
「金だぁ? 金なんていらねぇぇんだよ。そうだな。あんた今から引退しろよ? そうすりゃ全てが丸くおさまる」
「引退!? そんな事が出来る訳ないだろ? それにこのファミリーは連合の一員でもあるから上部団体にも聞いてからでないと……」
ドッゴォォォン!!
その瞬間大きな音が響き渡り、一方の壁が綺麗に崩れていた。
壁を壊したのはレオンである。
「さっきからゴチャゴチャうるせーんだよ。本家か何かわからないが、引退届なら俺達が届けてやるよ。書くのか? 書かねぇで、ここで死ぬのか? さっさと決めやがれ!!」
光を帯びた拳を突き出して叫んだ。
「ひぃぃぃ。書きます。今すぐ書きます」
判断を間違えれば自分が殺されると悟ったルスカは観念し、引退届を書き上げる。
その後ロープで拘束され、身動きが取れない状況で床に放置された。
次に近くに転がっていたファミリーの下っ端を叩き起こすと、引退届を上部団体に届けるように伝える。
ボスを人質に取られているので、下っ端は素直に引退届をもって走り去った。
「ルカ、これで終わったな」
「あぁ、これでちったぁ俺達の周りも静かになるだろう」
「ところでコイツどうする? いっその事、殺っちまうか?」
「ひぃぃぃ!! 殺さないで」
「レオン、お前が言ってたじゃないか。こんなクズを殺したって、俺達が損をするだけなのだろ?」
「あぁ、そういやそんな事を言ったよな。やっぱ俺っていい奴だよなぁ」
「何言ってんだよ。バーカ!」
「へへへっ」
二人は互いに笑顔を浮かべた後、ボスをそのまま放置し建物から出ていく。
その後、たった二人の男で小さいながらも一つのファミリーを潰した噂は街中に響きわたり人々を驚かせた。




