表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
25/42

10-1話 スノウ

 色とりどりのガラスケースの中には発光石が設置されている。その発光石が作り出す輝きで、店内は七色の光にあふれ幻想的な空間を作り出していた。

 備え付けの客席は全て埋まっており、この店が人気店だとすぐに理解できる状態だ。

 心地良い生演奏が店内を流れ、酒に酔ってテンションが上がった男女の笑い声がそこら中に響き渡っている。


「スノウちゃん、久しぶり~ ほんと綺麗になったよな。俺の事覚えてる?」


 少し見ない間にスノウは可愛かった昔と比べ、今は大人の女性へと成長していた。

 確かに子供の頃の面影は残っているが、十九歳になるスノウは既に大人の身体つきで、仕事用の露出の多いドレスを着ている姿からは、男を惑わす色香を漂わせている。


 低身長だが、体型はバランスの良いスリム型で手足は細い。

 露出している肌は透き通る様な白色で銀色の髪とよく合っている。

 顔は昔から可愛かったが、今は可愛さから美しさへと変化している途中でその両方の良さを兼ね備えていた。


 もし今のスノウが本気で男を落とす気になれば、殆どの男は簡単に心を鷲つかみにされてしまうだろう。


  ドギマギしているルカと違って、いつもの調子でレオンがスノウへと話しかけている。

 その隣でルカは黙ったまま、目のやり場に困っていた。


「ちゃんと覚えていますよ。レオンさんでしょ? 昔よりカッコよくなっていて驚きました」


「嘘? 俺、本気にしちゃうよ。やっぱりスノウちゃんは見る目があるよなぁ」


「レオン、勘違いするなよ。スノウは品の悪い客相手にお世辞を言っているだけだからな。スノウもコイツは客だと思わなくていいから。本当の事を言ってやれ。黙れバカ野郎とな」


「あ~っ。もしかしてルカ兄ぃは焼きもちを焼いているのですか??」


「てめぇぇ、似てねぇモノ真似しやがって。本気で殺すぞ!!!」


 レオンにからかわれたルカは腕まくりをしながら立ち上がる。


「もぅ。ルカ兄ぃもお店で暴れたら駄目だからね。早く座って、ほらほら」


 スノウになだめられ、怒りを収めてルカは再び椅子にすわる。


「やっぱり。スノウちゃんが最強だよな。だってさ怒り狂っているルカを抑える事が出来る人ってたぶんスノウちゃん以外いないぞ」


「またそんな事いって…… レオンさんもからかわないで」


「いやマジで言ってんだけど」


「うんうん」


 レオンの真面目な返しにレオン以外にアルベルトや他の仲間達も何度も頷く。

 数年ぶりに会った筈なのだが、つい先日まで会ってたかの様に自然と笑いあえる事ができてルカの心は穏やかである。

 

 ルカが昔を思い出しながら、何も言わずにスノウの事を見つめていると、スノウもルカの視線に気が付いた。


「ルカ兄ぃ、どうしたの? お酒なくなっちゃった?」


「あぁ、悪いな」


 半分空になったグラスをスノウへと差し出すと、スノウは氷製石の上で作られた氷を足し慣れた手つきで新しいお酒を作っていた。

 

「はい。できたよ」


「あぁ、ありがとう」


 手渡しで貰った新しい酒を喉に流し込んでみる。

 丁度良い濃さに調整されており、一口で半分近く飲んでいた。


「旨いな……」


「本当!? やったぁ」


 スノウは嬉しそうにはしゃいだ。

 昔からは想像も出来ない穏やかな空間がそこにはあった。

 レオン達も酒が進み楽しくふざけ合い。陽気な時間が過ぎていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ