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8-1話 気の合う仲間

「いてて…… ここは何処だぁ?」


 ルカとレオンの喧嘩が終わってから、すでに数時間が経過している。レオンは治療を終えベッドに寝かされていた。

 レオンが上半身を起こすと、見慣れぬ周囲の景色に戸惑いを見せている。全身には包帯が巻かれており、自分が治療された事をレオンも気付く。

 ベッドの側の床には悪友達が所狭しと転がっており、全員がスヤスヤと眠っている。


「やっと起きたか…… 体調はどうだ?」


 背後から声が聞こえ、振り返ると先程まで戦っていたルカの姿が映る。


「お前が助けてくれたのかよ? でも一体どうして?」


「大した理由なんてない。あのまま死なれては寝付きが悪いと思っただけだ」


「あっそうだった。俺はお前に負けたんだな…… あぁーぁ!! 産まれて初めて負けちまった」


 レオンは両手をあげて、大声で叫んだ。


 しかしレオンの表情は悔しさよりも、充実感に満ちあふれている。


「俺に挑んだんだ。負けて当然だろ」


「ふん。よく言うぜ。お前も最後はボロボロだっただろ?」


「負けた癖に生意気な奴だな。気がついたんなら早く帰れ。そのベッドは俺専用なんだよ」


 図星を疲れてルカも珍しく冷静さを失う。


「なぁ? それだけ強さを持っているんだ。何処かの組織に誘われたりしないのか?」


 レオンは素朴な疑問を口にする。


 質問に答える義理はないのだが、ルカも自然と正直な気持ちを答えていた。


「誘われた事はあるが全部断っている。今は孤児院の仲間を守る為に戦っているからな。でも来年で俺も十五歳になる。そうなれば俺も孤児院を出ていかないといけないから守ってやれなくなるけど、それまでの間は責任を持って守り続けたいと思っている」


 それがたった一人になったルカを救ってくれた恩返しだと思っていた。


「仲間かぁ。お前に守られる仲間が羨ましい気がするぜ」


「お前にも仲間がいるじゃないか? こいつ達はお前が倒れた後、すごく心配していたぞ。ついさっきまで、付きっきりで看病していたし。それに此処まで運んでくれたんだってコイツだ」


 そう言うと、ベッド脇の床で看病疲れで眠っている仲間達を指差した。


「確かにこいつ達は大切な仲間だけどよぉ。なんて言うのかなぁ、気が合う悪友って感じなんだよ。だけど、お前の守る仲間はお前の宝物の様な感じを受ける。なんか重みが違うって言えばいいのか? 俺もそんな心から大切に出来る宝物が欲しくなったって言うか……」


 レオンは少し照れくさそうに答えた。


「それならこれから見つけたらいいだろう? お前は何歳だ? たぶん俺と同じ位だろ? ならこれから先、多くの人に会うはずだ。全然遅くはないだろ?」


「そうだよな!! これから見つければいいんだよな。よっしゃーっ!! 俺も絶対に宝物を見つけてやるぜ。それじゃまた明日も来るからよ」


「おい。明日ってなんだ。俺はもう喧嘩しねぇぞ」


「喧嘩はもういいよ。お前の強さは十分わかったからな。明日はお前の顔を見に来るだけだ」


 レオンは勢いよくベッドから飛び上がると、寝ている仲間を蹴り起こして笑顔で孤児院からさっていく。


 宣言通りレオンは毎日ルカに付きまとう様になっていた。

 最初は煙たがっていたルカも裏表のない性格をしているレオンに少しづつ心を開く様になっていく。

 その後仲を深めた二人は互いを兄弟分として認め契りを交わした。


 レオンとの出会いがルカの人生を大きく動かしていく。

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