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6-4話

 ノエルの教えではスキル能力は使い方によって効果が大きく変わる。母親の教えを心に刻み、ルカは自身のスキル能力の解明を続け、有用な利用方法を考えてきた。


 早朝、太陽が昇り始めた朝焼け、ルカは一人孤児院を抜け出し、人影のないゴミ山へと移動する。

 ルカはその場所で誰にも気づかれない様、注意しながらスキルの鍛錬を続けていた。


 まず指定の場所に立つと足元にはロープが置かれていた。ロープはゴミ山の方に伸びている。

 ルカがロープを引っ張ると数本の矢がルカ目がけて飛んできた。

 ルカは避ける動作もせず、だだ両手を前に出して矢を受け止める体制を取る。

 矢は勢いよく飛び続け、ルカの突きだした掌を串刺しにしたかに見えた。

 しかし結果は矢じりはルカの掌の上で勢いを失いポトリと地面に落ちる。

 

 もちろんルカの手は無傷だ。

 

「うん。今日は調子がいいぞ。次に行くか」


 気合を入れ直すバケツが並べられている所へと移動する。

 昨日の雨でバケツには雨水が溜まっていた。

 そのまま、バケツを手に取るとバケツを頭上へと運び頭から水をぶっかける。大量の水がルカの頭から肩や胸へと流れ落ちる。普通なら身体中水浸しになっている筈なのだが、ルカの身体やまた、衣服すら水滴一つ付いていなかった。


 そのまま指先より流れ落ちている水にスキルを使用する。

 すると水は鋭い針金の様に固まった。そのままルカは人差し指を立てて、近くに生えている木へ刺突を繰り出した。

 水の針金は木に深く食い込み、その威力を示していた。


 これらは全てルカが持つスキルの力である。


 ルカはスキルの検証を始めた時、自分のスキル能力は身体の硬さを変化させる【硬化】の能力だと思っていた。

 その理由としてはスキルを使用している間はどんな攻撃を受けたとしても、傷一つ付かない上に痛みも感じなかったからだ。


だがそれは間違いであった。それに気づいたのも偶然だ。


 ある日スキル発動中に実験として焚き火の中に腕を突っ込んだ事があった。

 鉄の体になっても熱さは感じるのだろうか? と言う疑問からの行為だった。

 当然熱さも感じずに無傷で終わったが、驚いた事に来ていた服も焦げ後一つ見当たらなかった。

 皮膚や衣服が火に燃やされる前の状態を維持し続けた結果である。

 その上このスキルはルカが接触している物体にも効果を発揮する。


 その後、幾つかの実験を繰り返し検証した結果。

 ルカは自分のスキルを【対象の形状や状態を維持する能力】と確信する。

 

 【対象の状態を維持する能力】だと長いので、変化しない力と略して【不変アンチェイン】となずけた。


 【不変アンチェイン】のスキルは攻防と多様性に優れ、使い方は無限に広がる。


 更に一番良い所はスキルを使っている事を相手に悟られにくい所だ。

 後で知った事なのだが、他のスキル能力者がスキルを使うと、体が発光しスキル発動状態が相手に分かってしまう。


 けれどルカの【不変アンチェイン】はどういう訳か発光したりしない。

 ルカも不思議に思ったが、確かにスキル使用前は身体が発行する事がない。

 その状態を維持するので【不変アンチェイン】の効果によって光が抑え込まれていると推測した。


 結果として、今日までスキル能力者だとバレずに過ごせているので助かっている。


 逆にデメリットは使用できる時間が少ない事だった。

 スキルを発動させると、大量の精神力が擦り減っていく。何度か限界までスキルを使用した事があり、結果は全て気絶してしまった。


 今のルカで万全な状態でスキル発動時間はたったの5分。

 これからも鍛錬を行う事で今よりも精神力が強くなれば、継続時間は伸びるだろうが、現状は限られた制限の中で出来る限り有効なスキルの使い方を考える事にした。


 その後もルカは検証と修練を続け、自分自身でも気づかない間に帝国でも有数のスキル能力者と成長していた。

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