4-4話
翌朝、目を覚ますと普段なら起きているノエルの姿はなく、毛布に包まり苦しそうにしていた。
「母さん!! 大丈夫!?」
「ルカ心配かけてごめんね。どうやら、昨日の事で母さん気が緩んじゃったみたい。ちょっと熱っぽいけど今日一日寝ていれば治るから心配しないで」
「でも母さん、ちょっとじゃない。凄い熱だよ。汗だって凄い出ている」
ノエルの額に手を当てると、異常な熱さが伝わってきた。今の状態が普通ではない事は少年のルカでも理解できる。
「母さん。ちょっとだけ疲れたから少し眠るわね」
ノエルは力なく、毛布に身を沈めて苦しそうにしている。ルカは心配になりノエルの側から離れなかった。
数時間後、ノエルの息遣いが激しくなる。ルカが額に手をのせると最初よりも熱が上がっていた。
「凄い熱だ!! 医者! 早く医者に診てもらわないと」
ルカは家から飛び出し、孤児院へと向かった。相談できる大人と言えば、孤児院の院長位しかルカは知らない。
孤児院に到着し院長に相談すると、すぐに一人の医者を呼んでくれた。その医者は高齢の老人でスラム街に住む者でも見てくれる心優しい医者だった。
「これは…… 早く手を打たねば命に係わるかもしれん」
「お願いします。何でもします。早く母さんを助けて下さい!」
「そうしたいのは山々じゃが…… 熱を冷ますには薬がいる。じゃがその薬は値が張るんじゃ。わしも在庫を切らしていて、今はどうすることも出来ん。彼女自身の力で回復する事を祈るばかりじゃ」
「そんな!? ……あっ」
高価な薬など買う金など無いのはルカにも分かっていた。
どうする事も出来ないのかと諦めかけて居た時に、一つの考えが浮かんだ。
(母さんが言っていた事が本当なら、貴族だと言っていた父親に頼めば薬を買ってくれるかもしれない!!)
藁をも縋る小さな希望かもしれないが、金もないルカにはそんな方法しか思いつかない。
「必ず薬を手に入れてきます。先生それまで母さんの事をよろしくおねがいします」
ルカは医者に頭を下げると、一目散に走り出した。
「おい。待たんか!!」
いきなりの事で医者は大声を上げていたが、今は少しでも早く薬を手に入れたかった。目的地はアルバート伯爵家で場所はノエルが昨日話した時に出たのを覚えている。
屋敷が在るのは隣の地区で、子供の足でも数時間走ればで到着できる距離だ。
ルカは母親を助ける為に何時間も休む事なく走り続け、アルバート伯爵家を目指した。




