1-1話 ルカ・アルバート
ルーン大陸は神が住んでいた大陸と呼ばれている。
その理由は大陸に住む者は千人に一人ほどの確率で、スキル能力者が産まれていたからだろう。
スキル能力者は様々な超常的な能力を使う事が出来る、誰もが憧れる存在だ。
また、ルーン大陸には大小多数の国々が存在している。
その中の一つ、ロイズ帝国も今から三十年前までは特色の無いただの小国だった。
しかし、若くして皇帝となったロイズ3世の治世の時代に、魔鉱石と呼ばれる鉱石が発見されたことが帝国の運命を大きく動かしていく。
魔鉱石には種類があり、その種類によって様々な効果を発揮するレアメタルで、ロイズ帝国の領土で巨大な鉱脈が見つかり魔鉱石が豊富に採掘することができた。生活必需品から武器まで、開発は多岐に広がりロイズ帝国は他国の追随を許さない程の技術革新時代を迎える。
また魔鉱石の力は想像以上に強力だった為、戦争にも投入された。その結果、ロイズ帝国は次々と周囲の国々を征服し、瞬く間に大陸最大の大国を築き上げる。
激戦をくぐり抜け帝国が得た物は、近隣諸国を軍門に下し取り込み続けた広大な領土と資源。
しかし良い事ばかりではなく、常勝国家と呼ばれた帝国でも戦争の代償は大きかった。
その一つが戦争の度に無理やりに徴集されてきた多くの国民の戦死と、それに伴う孤児たちの増加だ。
戦争で父親が亡くなった家族は稼ぎ頭を失い、生活苦から子供を手放したり、逆に母親が多くの仕事を抱え込んだ結果、身体を壊し、子供を残したまま死んでしまうといった悲劇が多発する事となる。
取り残された子供達は行き場を無くし、生きる術すら知らず本当に無力だった。
帝国も孤児院の建設といった孤児救済の政策を実施しているが、現状では全く足りていない。貧富の差は日々拡大しており、弱者は強者に利用され捨てられるのが当たり前となっていく。
そんな大陸一の大国へと駆け上がり、これから繁栄が約束された新時代。
アルバート伯爵家で待望の子供が産まれた。




