学校にて
学校に来てみた。この何日間かはずっとゲーム漬けだった。幸い俺の部屋は死んでもそのままにしてあるから好き勝手できる。因みに音を出すと家族にバレそうなのでイヤホンの着用は必須だ。つーか俺がゲームやってるってことは画面の向こうのあいつら、俺が死んだことに全く気づいてないんだろうな。
今日は月曜日なので、1時間目から体育だ。クソだるかったのでこれを見ると死んで良かったとか思ってしまう。ごめんなママ。
そうは言っても見学してサボってることが多かったので、対して今と変わってないけどな。それでも今思えば俺の高校生活はたったの10ヶ月で終わってしまい、これからだった華の青春は…。
「右へ倣え」
「出席を取ります」
あれ、なんか一人だけサボってるやつがいるな。今井か。あいつは俺のことを目の敵にして?結構散々な扱いしてきたからな。つっても女のやることなんて口先で嫌味言うくらいだけど。それにしても、人のことを言っておいて自分はちゃらんぽらんなことするほど腐ったやつじゃなかったんだけど。あー女の子の日的なやつか。それにしても魂が抜けたような感じだけど。
「本所くん」
・・・
俺の名前が呼ばれた瞬間に一瞬にして冬の寒さが一層増してしまった。ドライフードになってしまいそうだ。思わぬところで自分が死んだことを改めて実感することになった。って教師なんだからそれぐらい配慮しろよ。皆なんとなくこっちを見ているが、見えてるわけじゃないよな、たぶん。
「すみません。次は・・・」
流石に体育は嫌いだったとは言え、今のは可哀想だな。あ、今井が消えた。
俺のクラスは女子の比率が高いのでこうして保護者のような視点で見ると結構いい眺めだ。出欠確認が終わったら準備体操のお時間ですね。おお、おっぱいが、揺れている!
同じクラスの奴ら、寒いのに頑張ってんな。体育と言えばこうやってチーム分けをするときは大体俺がひとり取り残されたりして。俺が居なくなって男子は人数ぴったりか?悲しいぞ。ところでうちの高校では珍しく体育は男女合同なんだよな。中学では別々だったけど。よく2次元じゃこういう時に男女一緒のペアになってラッキースケベしたりするもんだけどリアルじゃねーよな。リアルじゃ。
ここで良からぬことを思いついた。俺はもう死んでいる。なら触り放題じゃないか?ああでも今タダでさえ成仏できてないわけだし、このまま悪事をはたらいたら地獄に落ちそうだ。程々にしておこう。
こうして俺はクラスの女子の目の前に立ちふさがり、時に”偶発的に”おっぱいに触れ、時に尻もちを付きそうな女子のお尻を優しくキャッチしたりしてみたが、そのたびに「うわっなにいまの」みたいな反応をしてきた。流石に死んだ本所の魂がさまよってるんじゃないかとか悟られたら嫌なので、これ以上はしない。約束だ。