僕は魔法を知る
遅くなってしまいすみません。
皆様のアクセス等励みになり、頑張っていくのでこれからも魔王の因子をよろしくお願いします。
「二人ともお疲れ様。ちょうどいい時間だし、魔法については昼ご飯を食べてからにしましょう」
あれから僕は少しでは息が整わず、長く休憩していた。アイシアは僕が休憩している間ずっと素振りをしており、彼女の体力には底がないのかと心底驚いていた。
「ご飯♪ご飯~♪」
アイシアは嬉しそうに椅子に座り、なにやらよくわからない鼻歌をうたっていた。
アイシアの表情がとても幸せそうで僕は不覚にも見惚れてしまった。
「アモンもそんな所で突っ立ってないんで、早くこっち来て食べましょうよ!」
「・・うん、そうだね。僕も昼ご飯が楽しみだよ」
そう言って僕も椅子に座るとちょうどシャロンが出来立てであろうパンとスープを持って来た。
「いっぱい作ったから、残さずたべるのよ」
「いただきま~す♪」 「いただきます」
そうして僕らはこの後に学ぶ魔法に向けて腹ごしらえを済ませるのだった。
「それじゃあお昼ご飯も食べたことだし、魔法について早速学んでいきましょう」
「アモン君は魔法について知ってることはある?」
「いえ、僕は生まれて魔法なんてものは見たことがなく、魔法についての知識は全くありません」
「わかったわ。それじゃあまず魔法とは何かから教えるわね」
「まず、魔法というのは自分の中にある魔力を呪文や道具を使って変化させ、世界に干渉するための方法の事よ。試しに見せた方が早いわね。・・・炎よ」
次の瞬間、シャロンの指の先に小さな炎が灯った。
「これが・・・魔法ですか」
「そうよ。これくらいの魔法だったら慣れてくると呪文とかは必要ないけど、もっと大掛かりなものになると時間がかかるわね」
そう言ってシャロンは指の先に灯っていた炎を消した。
「それとね、魔法には属性というものがあって人それぞれ使えるものは限られるの。さて、ここでアイシア。魔法にはどのような属性があるのか言ってみなさい」
「そのくらい簡単よ!魔法には火、水、土、風の四属性あるのよね」
「う~ん。合ってるけど完璧ではないわね。魔法にはアイシアが言ったような基本となる4属性の他に伝承で伝えられているような勇者や神官さんが使える光魔法や魔物や魔王などが使う闇魔法と呼ばれるものがあるわ。光魔法はアンデット等の不浄なものを払うためのものだったりするけども、闇魔法についてはどんなものなのかわかっていないの。その他にもどの属性にも属していない無属性の魔法なんてものもあるわ」
「伝承・・ですか」
「あんた聞いたことなの?それなら私が教えてあげるからよく聞いてなさい。昔々、人々は平和に暮らしていました。ですが突如、生き物が住むには厳しいと言われている北の果てからおぞましい異形の者たちが現れ次々と人の国を侵略していきました。人々は絶望し。異形の者たちに屈するしかないと思っていたとき勇者が生まれました。勇者は聖なる光と剣を用いて異形の者たちを倒していきついにその者たちの王と戦いました。結果、勇者は戦いに勝ち王を失った者たちは世界各地に散り、人々は平和に暮らせるようになりました」
「これがたぶん一番有名な伝承よ。この異形の者たちっていうのが今で言う魔物や魔王のことね」
「そんな話があったんだね。教えてくれてありがとう」
僕は初めて聞くはずの伝承なのに、魔物や魔王といった言葉が出た瞬間なにやら胸の奥がざわつくような妙な感じがした。
「はい、二人ともおしゃべりはそこまで。今は魔法について勉強する時間よ」
「は~い」
「それじゃあ続きを始めるわね。え~とどこまで話したかしら・・・。そう!人それぞれ使える魔法が違うってところまで話したわね。この使える魔法についてなんだけど、今から私がアモン君の体に自分の魔力を流してどんな属性に適正があるのか見てみるわね。アモン君準備はいい?」
「はい、いつでも大丈夫です」
僕は内心すこしドキドキしていた。自分はいったいどんな魔法使えるだろうと。
「じゃあ始めるわね。痛みとかはないからリラックスしていてね。」
そう言ってシャロンの手が僕の頭の上に置かれて、何か暖かいものが入ってくるような感じがした。
「なんだか少しわかりづらいわね、もう少し待ってて。・・・・うん、アモン君は無属性の魔法に適正があるみたいだね。他の属性は・・・難しいかもしれないわね」
「そうですか・・・無属性というのは何だかどんなものか想像しにくいですね」
僕は少しがっかりした。
「気を落とす必要はないわ。無属性の魔法はたしかにどんなものか想像するのは難しいかもしれないけど、自分の体を強化したり、空中に足場を作ったりと応用しやすいものよ」
「魔法が使えるだけいいじゃない。世の中には全ての属性に適正がない人もいるそうだし。ちなみに私は火と土の属性に適正があるわ。魔法ってなんだか分かりにくくて私はあまり得意じゃないけど頑張っていきましょう!!」
「・・・あぁ。頑張ろう!」
「ふふっ。二人共その意気よ。それじゃあまずは魔法を使うために自分の中にある魔力を感じ取ることから始めるわよ」
そうして僕は魔法について学び始めるのだった。