僕たちは出会う。
初投稿になります!稚拙な駄文ですが読んでいただけると幸いです。よろしくおねがいします!!
いつも不条理な世の中を恨んでいた。生まれつき髪が黒い、ただそれだけで侮蔑の目を向けてくる大人や大勢で暴力を振るう同年代の子供たち。その日も大勢の子供たちに囲まれて地面に這いつくばっていた。このような日が永遠と続くのではないかと未来を悲観していた時、声が聞こえた。
「あんたそんな目にあって悔しくないの?見てなさい、私がこのふざけた連中を叩きのめしてあげるから」
僕はその日、勇者に会った。
ここは大陸アルテミアの南西に位置する小さな村。大人たちも村の名前を忘れているような辺境だ。
僕はそこで身寄りがなく、日々を村の雑用をさせてもらってなんとか食いつないで行くような生活をしていた。この世界では黒髪は不幸を呼ぶと言う言い伝えがあり、生まれつき黒髪の僕は村で腫物のように扱われていた。だがある日、東の方にある王都から引っ越してきた家族がいた。
その家族は全員が見目麗しく、貴族のような上品な佇まいで魔法の扱いが上手く、瞬く間に村の中で確固とした地位をつけていた。
僕はいつものように村の雑用をするため道を歩いていると道の陰から急にでてきた悪ガキたちに囲まれていた。
「いつまでこの村にいるんだよ。お前みたいな不気味な奴がいるとめーわくなんだよ!」
「早く出てけよ悪魔!」
そう言い皆が僕に向かって来る直前、何者かが乱入してきた。
「あんたたち一人に対してそんな人数で相手して恥ずかしくないの?こんなのフェアじゃないから私はこの子に付くわ」
綺麗な女の子だった。金色の髪に気の強そうな印象を与える鮮やかな赤い瞳。僕はその子にこのような状況にも関わらず見とれてしまった。
そんな間に彼女は瞬く間に悪ガキたちを叩きのめして振り返った
「ありがとう。君のおかg」
「何であんたはあんな事言われて言い返さないの?悔しくはないの?」
「・・・悔しいさ。悔しくないわけないだろ!!でも言い返せば、反撃すれば必ずもっとひどい目にあう。身寄りのない僕がこの村で生きてくにはこうするしかないんだ・・・。」
「だったら家に来ればいいわ!きっと父さんも母さんも許してしてくれる!!」
「話を勝手に進めないでくれないか。第一君の名も知らないのに」
「私はアイシアよ!アイシア・アルブス。最近この村に引っ越してきたの。さぁ、私は名乗ったのだから、あなたの名前を教えなさい!」
「・・・アモン。アモン・ネグロ。」
「アモンね!素敵な名前じゃない!!さ、これでお互い知らない仲じゃないから問題ないわよね」
そう言って彼女は僕の手を掴み強引に引っ張っていくのだった。