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ただただ、幸せに…  作者: 緋月夜夏
ムニシヤ王国編
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第98話 訪問者(6)

俺達は不思議に思いつつもソリビアに近づいていく。

近づいていく途中で何故かランも人の姿に変わっていた。

「あっ…」

気づいたソリビアが情けない声を上げたが、咳払いをする。

「今朝ぶりだな。」

「そうだな。で、懲りずにまた来たのか?」

「当然だ。私は宮廷騎士だ。王子の命令を遂行するのは当然だ。」

「はぁ…面倒だな。」

「主様?面倒ならもう壊しちゃえばいいよ。」

「それもいいかもな。」

「「待って(ください)」」

リリファとレイラが同時に抗議の声を上げる。

「駄目か?」

「駄目だよ!えっ、私達がおかしいの?」

リリファとレイラが顔を見合わせる。

「スメノスちゃんもそう思うよね?」

「ルティもそう思うよね?」

リリファはスメノスに、レイラはルティに同意を求める。

「…私は、別に。」

「私も。ご主人様が決めたなら。」

「「えぇ…」」

リリファとレイラが同時に崩れ落ちた。

「仲良いな。」

「リリファとレイラは、この中では常識的だよ?」

「待て。そもそも壊すと言ったのはランだろ?俺が常識的じゃないというのは納得できない。むしろ、1番常識的なんじゃ…」

「ない。」「ないわ。」「ないです。」「ないよ?」「…ない。」(そうかも?)

1人を除いて同時にない、と言われた。

「ウルは優しいな〜。おいで。」

(えへへ〜。)

近寄って来たウルを撫でる。

やっぱり気持ちいい。

「…巫山戯ているのか?」

「本当にそう思うのか?というか、結局、その王子がこの土地を欲しがってるってことだろ?」

「…そうだ。」

「だから、断る。ここの土地は俺達のものだ。譲る気はない。」

「言葉に気をつけろ。反逆罪としてーー」

「反逆したら困るのはこの国だな。」

「っ…失礼する。」

ソリビアは去っていった。

「なんというか、かわいそうですね。」

「そうだな。」

レイラの言葉に同意する。

去り際の目はとても悲しそうに揺れている。

本人としてもしたい事ではないのだろう。

「ご主人様、どうするの?」

「どうもしないぞ?というか、できないな。」

王子を殺すだけなら簡単だが、後々面倒だ。

「まぁ、暫く放っておいて、何かしてきたら対処しよう。」

「それがいいと思うわ。」

ルティが同意し、他の皆も続く。

「じゃあ、レイラ。悪いけど昼食頼めるか?」

「はい。大丈夫ですよ。朝のうちに朝食も作っておきました。」

「そうなの?私お腹すいたー。」

走っていったリリファを見つつ、俺達も家に入った。


昼食を食べ終え、ソファでくつろぐ。

なんだかんだで皆も風呂を気に入っているのか、俺以外は風呂に入っている。

「あなた、来ていますよ。」

(?誰がだ?」)

「先程の騎士とその他の騎士達です。」

《俯瞰》を使い見てみると、20人程の騎士達向かって来ている。

従魔の輪(リング)があるとはいえ、王子の権力で揉み消すことを前提で従魔達を殺されるのは嫌だからな。

(行くか。)

ソファから立ち上がり、転移魔法で玄関前まで飛ぶ。


俺が玄関前へ行くと騎士達がざわめき出した。

《転移魔法》に驚いているのだろうか。

「お前、今何処から…」

そういったのはソリビアだ。

やはり《転移魔法》に驚いていたらしい。

「そんなことより、こんなに連れて来てどういうつもりだ。」

「…王子の命令だ。」

「実力行使で奪って来いと。」

「…」

(そんなこと許されるのか?)

「この国では許されませんね。おそらく次期国王になるための功績作りの一環ではないでしょうか?」

(国王は了承しているのか?)

「この国の国王は、特に秀でたものは持っていません。ですが、だからこそというべきか堅実で厳格な性格のようです。身内だとしても正しい判断を下すと思います。」

(そうか、なら帰ってもらうか。)

「おい!聞いてるのか!」

《転移魔法》でソリビアの前に移動する。

ソリビアの首の左右に刃が突きつけられた。

もう少しで100話ですね。

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