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ただただ、幸せに…  作者: 緋月夜夏
ムニシヤ王国編
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第97話 訪問者(5)

行く途中、ウルも行きたいと言ったので連れてきている。

因みにランは既に地龍の姿になってもらった。

冒険者ギルドに入るといつも通り賑わっていたが、酒を飲んだらしている人が多いためか、それほど受付に列はできていない。

(今回もセレナの列の方が短いな。)

もしかしてミアの方が人気があるのだろうか。

大した時間もかからず、俺の順番になる。

「あっ、こんにちは。タケルさん。」

「ああ。…どうかしたのか?」

何となくだが、元気がないように見える。

「いえ…何でもありません。依頼ですか?」

「ああ。何かいいやつあるか?」

「…そうですね…ランクBの討伐依頼ですと、転移ワープスライム、穴蛇ホールスネーク実亀ベリータートルがあります。後は、護衛依頼や収集依頼ですね。」

(実亀って防具屋で聞いたよな。)

「はい。ルティさんの靴に使われていますね。」

(あっ…)

ルティの防具で思い出した。

「リリファ、武器をどうするか決めたか?」

「あー、ごめん、タケル。全然決まってない。」

「そうか。まぁ、リリファが使うものだし焦らせて決めても、合わなければ意味ないからな。じゃあ、今日は武器は無しにするか?」

「うん。前みたいに魔法を使ってるよ。」

「わかった。」

そして俺たちは依頼の為にグノミラ山へ向かった。


グノミラ山は、水竜達を従魔にしたタレヘラ湖の近くにある山だ。

依頼の3種類の魔物が、この山には生息しているらしい。

「じゃあ、近いやつから倒していくか。」

「はい。」「ええ。」「「うん。」」「…うん。」


ヘルプに魔物の場所を教えてもらい、片っ端から倒していく。

3つに分かれることも考えたが、俺やスメノスはともかく、もう1つが厳しいかもしれない。

レイラやルティは、数日間依頼を受けていなかったし、リリファも一度にかなりランクが上がったからだ。

ランもいるが、正直あまり速くないので分かれることはしなかった。

討伐は、日が暮れるまで続いた。


「今回もかなり倒しましたね。」

「まぁ、ご主人様だからね。」

レイラとルティが言う。

「スメノスちゃん、タケルと同じくらい凄かったね。」

「…ありがと。」

リリファの言葉に少し照れているのか、頰が少し赤くなっている。

「私、主様の従魔でよかったよぉ…」

(ウルもタケルお兄ちゃんの従魔でよかった!)

ランが青ざめているのに大し、ウルは明るく言う。

(ランとは戦ったけど、ウルとは戦っていないからな。)

こんなところで違いが出るのか。

今日の成果を確認しながら帰路につく。

転移スライムは名の通り、転移を使って逃げようとするが、ヘルプが見つけてくれるので、すぐに同じ場所に転移して倒した。

レイラ達は転移スライムに気づかれないよう背後から近づいて倒していた。

次に穴蛇は、簡単にいえば陸上の巨大チンアナゴと言ったところだ。

チンアナゴの画像でよく見るような状態でいた。

巨大と言ってもチンアナゴと比べてで、約1mメートルほどしかない。

すぐに穴に潜ってしまううえ、首を動かして周りを見る為倒すのは普通なら難しいだろう。

だが、俺とスメノスは《転移魔法》で一瞬で背後をとり、首を斬る。

最初は、他の皆は見学していたが、レイラは途中から穴蛇が逆方向を見た瞬間に短剣を投げ、穴蛇に刺していた。

レイラの毒が回り始めると、苦しいのか穴から出てくる為、解体も簡単だった。

ウルは、山で培った気配の消し方を実行し、その瞬発性で穴蛇に噛みつき、穴から引きずり出していた。

実亀は、甲羅が硬いらしいが、俺やスメノスは甲羅ごと斬り、ルティはリリファに実亀を固定してもらい、甲羅を何度も叩き、割っていた。

今回の依頼で、全員の新たな可能性を垣間見た気がした。


そして、帰ってくると待っていたのは、いつも通りの家と、玄関の前で立ち尽くしている、涙目の騎士だった。

次回からソリビアも登場しますので。

貴族との争いごとですね。

あまり話数をかけるつもりはないです。

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