表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただただ、幸せに…  作者: 緋月夜夏
ムニシヤ王国編
96/117

第95話 訪問者(3)

短いです。

聞こえてきた音で一瞬、会話が止む。

「私が出てきますね。」

止める暇もなく、レイラが下りていった。

止まった会話も再開される。

「私、外に出ても大丈夫よね?」

「主様の従魔だから多分大丈夫だよ?」

「『多分』ってところが怖いね。というか結局、タケルは何匹連れて返ってきたの?」

「ん?えっと…」

「969匹です。」

「969匹だな。」

「よく覚えてるね?」

「自分の従魔だからな。」

(実際はヘルプに聞いただけだけどな。)

覚えていないと言ったらランがどう思うかわからない。

「ご主人様はもっと増やすつもりなの?」

「ああ。でも、昨日みたいに1日かけてするのは、当分しないつもりだ。依頼の合間にできたらって感じだな。」

「全員は連れていかないわよね?」

「ああ。まぁ、俺は従魔をペットとして連れてきただけだからな。」

「珍しいよね。まるでタケルが貴族みたい。」

「ん?リリファ、貴族って従魔をペットにするのか?」

「聞いたことがあるだけだけどね。」

(…絶対絡まれる…)

「…こんなに、多くは、ない。」

「そうなのか?」

「いや、ご主人様みたいに群れごととか聞いたことないわよ?」

「というか、タケルなら王国滅ぼせるよね?」

「当然だよ?」

「いや、当然じゃないからな。」

「…あなたは、異常。」

「お前は神だろ。」

神にまで異常と言われることはないはず。

たぶん。

扉が開く音がした。

レイラが戻ってきたようだ。

「おかえり。なんだった?」

「それが…王国の騎士だそうです。」

「…」

(やっぱり来たか…)

「わかった。ちょっと行ってくるから食べててくれ。」

「わかりました。」

転移部屋から1階に降りる。

客室の扉を開けると金髪の女性ががソファに座っていた。

「失礼している。」

「ああ。で、何の用だ。」

面倒なのは目に見えているので、単刀直入に聞く。

女は一瞬鋭い目になったものの、すぐに元に戻っている。

「私の名は、ソリビア=メルテス。このムニシヤ王国で宮廷騎士をしている。今日は王子の命令で尋ねさせてもらった。」

「…」

無言で先を促す。

「内容は『其方の所有する土地に魔山の出現を確認した。安全確認の為、かの土地を国で買取り、新たな土地をあてがう。』だそうだ。」

「そうか。」

「見ると、魔物も住み着いているようだ。其方としても喜ばしいのではないか?」

「…はぁ…ふざけてるのか?」

「何?」

「あの山は俺が作ったものだし、そこにいる魔物は俺の従魔だ。わかったら帰ってくれ。」

「冗談も程々にしろ!どれだけの数がいると思っているんだ!」

「そう思うのは勝手だが、確認をしたのか?」

「そ、それは…」

「もし手を出したなら、俺は容赦しないぞ。」

脅しの意味も込めて《威圧》も使う。

「っ!?は…」

「じゃあ、さっさと帰ってもらえるか?迷惑なんだ。」

「…わかりました。一先ず戻ります。」

「もう来なくていいんだが。」

「私だって仕事なんですよぅ…」

そう言い残して去って行った。

(最後、口調おかしくなかったか?)

「いろいろあるのでしょう。」

(そうだな。今日は何をするかな…)

そんなことを考えながら朝食を食べに戻った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ