第83話 庭(2)
昼食を食べ終え、家の外に出てきていた。
玄関の前は、畑になっているが、他は最初に雑草などを燃やしてから放置したままだった。
(とりあえず、魔法とかを練習できる建物を作るか。場所は…家から離れてた方がいいか?)
「いえ、その必要はないかと。」
(危なくないか?)
「封魔石で壁を作り、空間魔法で建物内を拡張するのが良いと思います。」
(封魔石?)
「名前の通り、魔力に関する物を封じる石です。」
(魔力に関するって、魔法もスキルもか?)
「はい。王城の一部の部屋で使われていたりします。」
(使えなくなると危なすぎるな。今夜のうちに封じられないためのスキルとかを作らないとな。)
「それは…いえ、後にしましょう。封魔石ですが、王城などでは範囲型を用いられていますが、魔法やスキルの練習のためですので、吸収型が良いと思います。」
(封魔石に種類があるのか?)
「はい。範囲型・吸収型・変異型・反射型の4種類があります。」
(王城は範囲型なんだよな?)
「はい。範囲型は、範囲型の封魔石で囲んだ内部で魔力の使用が封じられます。吸収型は、当たった魔法やスキルの魔力を吸収し、蓄積します。蓄積した魔力を取り出すこともできるので、魔力薬の替わりとしても使えます。変異型は、4種類の中で最も採掘量が多いため、あなたの世界の粘土のようなものとして子供に遊ばれます。反射型は、一部の盾の素材として使われています。」
(だから、今回は吸収型なのか。でも、吸収した魔力はどうするんだ?毎回壊すわけにもいかないだろ?)
「水に変換して、池を作りましょう。防犯の為に魔物などを飼うんですよね?水中で生活する魔物ならそこで飼えば良いですし、陸地で生活する魔物でも、水は必要ですから。」
(そうだな。魔物を飼うのも大変そうだけど、楽しみだな。)
「では、作ってしまいましょう。手伝います。」
家を作った時と、同じようにイメージが脳内に浮かび上がってくる。
(中は空間魔法で広げるんだな。よし。)
《創造》を使い、練習場を作る。
魔力を使うので、多少疲れたかもしれないが、どうせならば庭の改造を進めたい。
(次は魔物を捕まえに行くぞ。)
「はい。できれば人型でないものが良いと思います。」
(わかった。まぁ、ゴブリンとか庭にいても困るしな。)
まず初めに、転移魔法を使い、以前下級竜を倒した旧森人族領へ向かった。