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ただただ、幸せに…  作者: 緋月夜夏
ムニシヤ王国編
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第81話 変異種(2)

転移魔法で家に戻ると、すでにレイラが昼食を作り始めていた。

「お帰りなさいです。」

「ああ。ただいま、早いんだな?」

「他にはすることがないですから。」

「そうか。森熊ウッズベアーの肉は、貯蔵庫に移しておいたから、どんどん使ってくれ。」

「はい、分かりました。」

「じゃあ、俺は少し出かけてくるな。」

そう伝え、再び転移魔法を唱える。



「うおっ!?」

転移先の目の前に中年がいた。

「もしかして、タケルか?」

「ああ。久しぶりだな、ベルク。」

俺は今、ゴブリン防具店に来ていた。

「久しぶりって程でもない気もするがな…それより、どうしたんだ?」

「ああ。おそらく珍しい素材が手に入ったからな。」

「本当か?見せてみろ。」

空間魔法から森熊の変異種を取り出す。

「森熊か…これは、変異種だな?」

「一目でわかるのか?」

「ああ。ただの森熊とはわけが違う。これで、防具を作っていいんだな?」

「ああ。まぁ、そこまで急ぎでもないけどな。」

「1日じゃ…少し厳しいな。今から始めても、明日の深夜だろうな。」

「わかった。じゃあ、2日後の昼頃にまた来るな。」

「…それは遠回しに徹夜しろって言ってるんだが?」

「1日くらいなら大丈夫だ。」

「おっさんを虐めるなよ…まぁ、期限は守るさ。」

「ああ。頼んだ。」

「おう。任せろ。用はそれだけか?」

「ああ。またな。」

そう言って転移魔法で帰ろうとしたが、中断する。

「ん?どうかしたのか?」

「今更なんだが、ベルク、なんでこの店名にゴブリンが入っているんだ?」

「本当に今更だな…ゴブリン並みの冒険者でも安心して来いってことだ。」

「そういうのは、他の人に伝わらないと赤字になるぞ。」

「その時はその時だ。道楽みたいなところもあるからな。赤字になったら冒険者にでも戻ってやるさ。」

「そうか。俺の防具も作ってもらいたいからな。潰れそうになったら手伝ってやるよ。」

「赤字にならないように定期的に買いに来てくれてもいいんだが?」

「俺が買うような今以上にいい商品ができたらな。」

「相変わらず生意気だな。お前が頼み込むくらい凄い物、作ってやる。」

「楽しみにしてるよ。じゃあな。」

「ああ。」

そうしてゴブリン防具店を後にした。

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