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ただただ、幸せに…  作者: 緋月夜夏
ムニシヤ王国編
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第69話 畑(1)

「タケル?何してるの?」

俺が立ち止まっていたのを見てか、リリファが首を傾げつつ尋ねてくる。

「なぁ、リリファ?家からどのくらい離れてたら虫が飛んでこない?」

「ん?タケルは虫が駄目なの?」

「いや、そこまで苦手ってわけでもないけど、家に集まって来たりしてるとな…」

「あー、確かにね。そういえば農家で透明な何かで野菜とか覆ってるの見たことあるけど知ってる?」

「ビニールハウスか?」

「名前はわからないけど…」

「それなら水やりはしなきゃいけないけど、虫は来ないな。それを作ればいいな。」

「というかタケルは家の前に畑をつくるつもりなの?」

「え?駄目だったか?」

「駄目ではないけど…こんなに大きい家だと、野菜より花が咲いてるイメージだなって。」

「…花だとビニールハウスしたら駄目だよな。」

「まぁ、見せるためならそうね。」

「リリファは花が好きか?」

「あたしは好き。妖精らしい?」

おどけながら尋ねてくる。

「好きならつくっていいぞ。土地が余るだけだしな。」

「本当?やった。ありがと。」

「お礼は美味しい野菜で頼む。さてと、リリファはどういう土がいいのかわかるか?」

「うん。まず隙間ができるように土を掘って」

「聞いてもわからないからとりあえず行くぞ?」

《土壌変化》を使う。

「…相変わらずすごいなー。…あっ、今!止めて!」

リリファの指示通り変化を止める。

「これでいいと思うよ?水はけもいいだろうし…」

「…まぁ、俺にはよくわからないけど、土はこれでいいのか?」

「うん。ばっちり。あとは種とか球根を買って来ないと。」

「このまま行くか。ちょうどいいしな。」

「そうだね!行こー!」

「なんだそのテンション…」


屋台が並んでいるところまで来て、気づく。

「あー、レイラも連れてくれば食材も買えたな。」

「?聞けばいいんじゃない?」

「戻るのは面倒だしな。」

「レイラに聞いたけど念話ができるんじゃないの?」

「…そういえば。」

「忘れてたの?結構便利そうなのに。」

「便利ではあるだろうけど、日常生活でまで使う気は無かったなぁ。」

「タケルってどこか抜けてるよね。」

「うーん、否定はし辛い。」


レイラと念話で話しながら食材を買い終える。

「じゃあ、そろそろ野菜を見るか。」

種だけを専門にしている屋台もある。

(どことなく調味料を売ってた屋台と似てるな。)

種や球根が袋に詰められ売っている。

1袋ずつの販売のようだ。

リリファがいくつ買うのかわからないが、俺は1つの種を買う。

リリファも決まったようで種や球根の花入った袋持って来た。

「とりあえず10種類ね。楽しみ〜。」

(…とりあえず?)

気にはなったが、リリファが嬉しそうな表情をしていたのを見て、聞くのはやめた。

「ほら、タケル、ぼーっとしてないで帰ろ?」

リリファは早く種を埋めたいのか急かしてくる。

「ああ。どうせだし、転移魔法を使うか。」

そうして俺たちは家に帰った。

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