表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ただただ、幸せに…  作者: 緋月夜夏
ムニシヤ王国編
68/117

第67話 リリファ(1)

風呂から上がり、2階に下りるとレイラとルティは椅子に座り、リリファはソファに寝転がっていた。

「あー、タケル、出たの?レイラとルティは洗濯の話しかしないから暇でね…」

リリファが体を起こし、話しかけてくる。

「ああ。と言うか、部屋に行ってても良かったんだぞ?」

時間でいうとすでに12時程になるだろう。

長い時間、風呂に入っていたせいだ。

(そういえば、母さんにもずっと「風呂が長すぎる…後の人のことも考えなさいよ…」って苦笑いしながら言ってたっけ…)

そんなことを考えているとリリファがこっちをじっと見ていた。

「タケル、元の世界のこと考えてる?」

「…よくわかるな。まだ会って1日だぞ?」

「さっき2人に教えてもらったの。タケルがぼーっとしてる時は元の世界のことを考えてるって。」

「2人にも気づかれてたのか…」

それほど顔に出るとは思っていないんだが。

「それはそうでしょ。タケルはいいご主人様だからね。」

「正直、ご主人様呼びも変えて欲しいんだけどな。」

元々身の回りに奴隷がいなかったせいか、今でも少し悪いことをしている気になってしまう。

「あたしも奴隷にする?」

「…出会って1日だよな?リリファの気安さというか…信頼感はどこから来てるんだ?」

冗談でも簡単にいうことではないと思うが。

「えー、あたしは結構本気だよ?だって、タケルの奴隷になったほうが生活に困らなそうだし。」

「リリファは奴隷を見たことがないんじゃないか?こんなの普通のことで…」

「そんなわけないでしょ?」

リリファは真面目な顔をして言う。

先ほどまでの冗談めかした表情とは大違いだ。

「ねぇ、タケル?奴隷って『道具』なんだよ?」

「リリファ。」

「そんなに怖い顔されても、それが常識なのよ。自分の代わりに働かせたり、自分が危なくなったら囮にしたり。それが普通で、この世界ではタケルのほうが異常なのよ。それは忘れないで。」

「…わかった。」

「まぁ、さっきタケルのいた世界では奴隷がいなかったんならしょうがないけどね。」

リリファは苦笑いをしつつ続ける。

「でも、タケルの奴隷の見方はあたしは好き。だから、あたしはタケルの奴隷になってもいいよ。」

「そうだな。俺は奴隷が増えても大してデメリットはないな。」

「本当?よかった。」

「いや、しないけどな。」

「えぇ…しようよ。」

「リリファは本当に俺の奴隷になりたいのか?奴隷じゃなきゃ駄目なのか?」

「…あの子達もいるからね。」

「あー。なんか面倒なやつだな、リリファって。」

「ひどいよ!?」

「とりあえず、リリファは奴隷にはしない。この話は終わりだ。明日は畑のこと頼むな。」

「…うん。任せて!」

無理矢理な話題転換だが、リリファは気にしないようだ。

「そうだ。リリファにも一応見せておくか。」

俺はステータスをリリファに見せる。

「うわぁ…何、この数値?」

「まぁ、それは置いておくとして、この《創造》ってやつで色々作れるから、なにか欲しいものとかあったら言ってくれ。」

「わかった。遠慮なく頼むわ。」

「ああ。じゃあ、俺はそろそろ寝るから部屋に行くけど、リリファはどうする?」

「あたしも寝るわ。疲れたしね。」

「はしゃいでたもんな。」

「あたしを子供みたいに言わないでよ。タケルのほうが子供じゃない。」

「そうなのか?そういえばリリファの歳っていくつなんだ?」

あった時に聞けなかったしな。

「あたしは15よ。レイラとルティは14だって言ってたから1つ上ね。」

「…さっきステータス見ただろ?」

「年齢なんて気にしてなかったわよ。他の数値がおかし過ぎて全く気にならなかったわ。」

「はぁ…リリファと同じ歳だ。というか、妖精はもっと生きてると思ってたよ。」

「…え?」

「え?」

「同じ歳って…15よ?15歳よ?」

「わかってる。」

「これで15歳…」

そう呟きながらリリファは顔を近づけてくる。

「…顔が近い。離れてくれ。」

「…ごめん。」

そういうと離れてくれたが、ぶつぶつと何かをつぶやいている。

(きっとリリファは独り言が多いやつなんだな。)

そう解釈して、リリファは放っておくことにした。

(どうせだし、ここでスキル作るか。ヘルプ)

「はい。考えておきました。《重力操作》、《土壌変化》、《従魔契約》、《使役》、《俯瞰》の5つです。因みに、俯瞰は高いところから見下ろすという意味です。」

(千里眼みたいなものか?)

「千里眼はあくまで距離の問題ですからね。見える方向は変えられません。家を上から見下ろすのにはいいかと。」

(《空歩》でいいんじゃないか?)

「防犯としてです。毎回外に出るのは面倒ではないですか?」

(確かにな。あとは、《従魔契約》と《使役》の違いは?)

「《従魔契約》は魔物限定ですが、好きな時に呼び出せます。《使役》は魔物以外の生物も可能ですが、呼び出したりはできません。」

(呼び出すってのは召喚みたいなことか?)

「その通りです。」

(わかった。じゃあ、《創造》っと。)

できていることを確認し、周りを見る。

リリファはまだ何かを呟いていて、ルティとレイラは、まだ話し合っている。

「じゃあ、俺は先に寝るな。おやすみ。」

「おやすみ…タケル。」

「おやすみなさい、ご主人様。もう少し話してから行きます。」

「おやすみなさい、私もレイラともう少し話しているわ。」

「ああ。」

3人の返事をきき、転移部屋を通り、部屋のベッドへ寝転がる。

目を閉じるとすぐに眠りに入ってしまった。

1つの新しいスキルを変更いたしました。

変更されたものはもう少し後に出てきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ