第47話 下級竜(1)
遅くなってすみません。今日から再開いたします。
朝起きると右手が楽になっているのに気づく。
「あっ、おはようございます、ご主人様。」
レイラは先に起きていたようだ。
「ああ。おはよう。早いんだな。」
「はい!やっとご主人様より早く起きれました!」
「そういえばそうだな。でも、気にしなくていいぞ。」
(こっちの世界ではかなり早いからな。)
「いえ。奴隷として当然です。」
「…まあ、いいか。ルティを起こしたら朝食にしよう。」
「はい。…ほら、ルティ?朝ですよ?」
「うん…起きる…」
ルティは目をこすりながらベッドから降りる。
「ルティも寝起きが良くなったな。」
「…ええ。まぁ、慣れよね。」
「ルティも起きたし、朝食を食べに行くか。」
朝食を食べ、冒険者ギルドへ向かう。
「あっ、タケルさん!代金の受け取りですか?」
昨日の受付の人だ。
「ああ。もう大丈夫か?」
「は、はい!大丈夫です。えーっと…ゴブリンの魔石が50個にスライムの魔石が25個ですね。ゴブリンの耳が20個、スライムの魔石が10個単位で依頼になっているので、2つの依頼達成となります。スライムで銅貨150枚、ゴブリンで銅貨400枚と250枚で合計銅貨800枚になります。」
「そのままでもらえるか?」
「大丈夫ですが…結構な量になりますよ?」
「それは大丈夫だ。」
「わかりました。少しお待ちください。」
中へ入って行った。
「今日は依頼を受けるつもりだが、大丈夫か?」
「大丈夫よ。」
「私も大丈夫です。」
「じゃあ、決まりだな。」
依頼板にはいくつかの依頼書が貼ってある。
ゴブリンやスライムなどに加え、レビルム公国では見かけなかった、下級竜や森人形などの依頼もあった。
「こっちにはこんな依頼があるんだな。」
「私は初めて見ます。どんな魔物なんでしょう?」
「下級竜は見たことあるわ。尻尾の先に毒があった気がするわ。」
「…毒か。強い毒なのか?」
「ええ。でも、死ぬまでにかなり猶予がある遅延性の毒みたいだから、毒消薬を持っていけば、大したことはないわ。」
「そうか。じゃあ、毒消薬を買ってから行くか。」
「ええ。まぁ、ご主人様ならなくてもなんとかなる気がするけどね。」
ルティは笑いながら言う。
「…」
(そういえば《毒耐性》も作ってあったな。上手くやればレベルが上がるかもな。)
視線を感じ振り向くと、レイラがジト目をしていた。
「わざと当たっちゃ駄目ですからね?」
「…当たり前だろ。」
(鋭い…)
「あっ、タケルさん、来てください。」
「来たか。」
いくつかの依頼書を持って向かう。
「はい。どうぞ。銅貨800枚になります。」
「ああ。ありがとう。あと、これを受けたいんだが。」
「依頼ですね。下級竜に森人形…ランクDの依頼ですが…」
一度こっちを見たが、
「まぁ、大丈夫ですね。はい、どうぞ。」
「…あんた、それでいいのか?」
「大丈夫ですよ。と言うか、あんな量のゴブリンやスライムを狩ってくる人がFランクの方が間違ってます。」
「そうか。じゃあ、俺たちは依頼に行くからな。」
「その前に、私の名前はミアです。呼び捨てで構いません。依頼頑張ってください。」
「ああ。ミアだな?わかった、行ってくる。」
そう返事を返し、冒険ギルドを出た。
「さて、すぐに行くか。」
「…ええ。そうね。」
ルティは何故か不機嫌になっていた。
レイラも同じく不機嫌な気がする。
「どうかしたのか?」
「別になんでもないわ。」
「そうか?ならいいか。じゃあ、行くぞ。」