第38話 鞘
再び起きた時、ルティとレイラはベッドにらいなかった。
「おはよう、ご主人様。」
「おはようございます、ご主人様。」
俺が起きたことに先にルティが気づき、続いてレイラも気づいた。
「ああ。おはよう。2人とも、朝食は食べたか?」
「いえ、まだです。」
「前も言ったけど、先に食べてていいからな?」
「はい。そろそろちょうどいい時間ですよ?」
ヘルプに聞くと、いつも朝食を食べている時間と変わらないようだ。
結構寝れたと思ったんだが、時間はあまり経っていないようだった。
「そうか。じゃあ、そろそろ食べに行くか。」
朝食を食べ、部屋に戻る。
「じゃあ、今日はどうする?」
2人に尋ねる。
「うーん、私は特にしたいこととかないわ。ご主人様に任せるわ。」
「ルティは特になしか。レイラは?」
「えーっと?防具屋さんへ行かなくていいんですか?」
「「あっ!」」
すっかり忘れてた。
俺と同じ反応だったから、ルティも忘れてたんだろう。
「おう、朝早いな。」
「ベルクも早いな。」
この時間だと、空いている店と空いていない店が半分づつくらいだ。
正午の少し前くらいに開け始める店が多いようだ。
「できてるか?」
「ああ。昨日のやつだな。」
用意しておいたのか、カウンターの下から出した。
「いくらだ?」
「金はいらねえよ。」
「いや、それは…」
「というか、武器を買った時ってのは、その店が鞘も勧めるもんなんだか、どこで買ったんだ?」
「ブラムってやつから買ったな。」
「この街のドワーフのか?」
「ああ。」
そういうとベルクはいきなり笑い出した。
「がはははは、なるほどな。確かにあいつなら、鞘まで勧めねぇか。」
「知り合いなのか?」
「ああ。師匠が同じなんだ。」
「へぇ。」
そんな共通点があったとは驚きだ。
「同じ師匠から教わって、昔は出来を競い合ってたな。っても、今は武器と防具で別れちまってるんだけどな。」
「そうか。なら、ちょうどよかったな。」
「おう。また来い。」
「「ありがとう(ございました)」」
ルティとレイラを連れて、店を出る。
「さて、この後はどうする?今日くらい一日中休むか?それともーーーっ!」
ルティとレイラを細い路地へ引っ張る。
「きゃ!いきなりどうしたのよ?」
「どうかしたんですか?」
「もう、ここに来たのか。」
俺の目線の先では、甲冑を着た者たちが馬車で移動していた。
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