第32話 依頼受注
「こんなとこか?」
そう言って、俺は依頼を見せる。
俺が選んだのは、以前も受けたことのあるスライム5匹の討伐、ゴブリン10匹の討伐、オーク3匹の討伐、オーガ1匹の討伐、コボルト5匹の討伐の依頼だ。
この5つの依頼は、常時依頼といって冒険者になったばかりの新人に慣れさせるための依頼としてランクGとFのみしか受けることができない。
だが、慣れさせるためなので常に受けることができるらしい。
「これでいいか?」
「いいんじゃない?」
ルティは賛成のようだ。
「これはどうでしょうか?」
そう言ってレイラは別の依頼書を持ってくる。
内容も薬草を10本だそうだ。
これも常時依頼らしい。
「ああ。大丈夫だ。これなら魔物狩りの合間にできるしな。」
「はい。」
俺たちは、6つの依頼書をアリナさんに渡す。
「はい。確認しました。タケルさんは、今回の依頼を全て達成させるとFランクとなるので頑張ってください。」
「そうなのか?ランクってどうやったら上がるんだ?」
「依頼の目安のランクと冒険者ランクが同じ場合は10個、高い場合は5個を連続達成で上がります。途中で未達成依頼があった場合は0から数え直しとなります。」
「失敗なしってのはかなり厳しくないか?」
「冒険者ギルドとしても、高ランク者はたくさんいてほしいのですが、無闇にランクを上げて亡くなられては本末転倒です。」
「まぁ、そうだな。」
「質問は以上でしょうか?」
「ああ、時間を取らせてすまない。」
「いえ、大丈夫ですよ。これから向かうのですか?」
「ああ。」
「そうですか。門は闇の刻には閉じてしまうため、お気をつけください。火の刻まで開くことはありません。」
(闇の刻と火の刻ってなんだ?)
「時間のことです。こちらの世界も24時間で1日なのでご安心ください。4時間ごと火の刻、水の刻、風の刻、土の刻、光の刻、闇の刻と分かれています。また、1時間ごと分かるのはこの世界では上流貴族や王族くらいです。」
(なるほどな。1時間ごと分けていたら怪しまれるのか。)
「ああ。気をつけるよ。」
アリナさんにそう伝え、俺たちは街から出た。
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