第30話 レビルム公国観光(1)
店を出て、俺たちは街を歩いていた。
道には多くの露店が開かれている。
特に祭りがあるというわけではなく、店の建物を所持している人が少ないそうだ。
露店を眺めながら歩いていると、レイラが一つの露店に目を向けていた。
商品を見ると、アクセサリーなどを売っているようだ。
「寄ってみるか?」
「いいですか?」
「ああ。もちろんお金の心配はいいぞ。ルティもいいか?」
「もちろん。」
それを聞いて、俺たちはその露店へ向かう。
「いらっしゃい。」
店員は俺たちが近づくとすぐに声をかけてきた。
少しでも立ち止まって見ていってほしいのだろう。
売っていたのは、ネックレスや指輪など装飾品と魔石や宝石などが売られていた。
魔石と言っても、通常の魔石と比べるとかなり小さい。
ネックレスなどを自作する人用なのだろうか?
立方体や球状に加工が施されており、色も様々だ。
「おっ、レイラ、これなんかいいんじゃないか?」
俺が選んだのは、黄緑色の宝石で作られているネックレスだ。
「わー、綺麗な色ですね!」
レイラはネックレスを手に持ち、光を反射させたりしている。
その様子を眺めていると、袖を軽く引っ張られた。
「ん?どうかしたか?」
「私には何が似合うと思う?」
「うーん…これなんかどうだ?」
俺が渡したのは黄色の宝石で作られたものだ。
ルティは濃い赤色の髪をしているので、似合うのではと思ったのだ。
「そうね。いい色だと思うわ…でも…」
「どうかしたのか?」
「うーん、他の形はないの?」
ルティは店員に尋ねる。
「ごめんねー。出ているものと同じ型のしかないんだよ。」
「そうですか。」
ルティは少し悲しそうだ。
「あっ!」
ルティは突然声を上げた
悲しそうな顔から一転、期待しているような目を向けてみる。
「ご主人様なら作れるんじゃない?」
「いやいや、期待しすぎだろ。」
とてもじゃないが、ネックレスなんかを作った経験などない。
(あー、一応聞くが、できるか?)
「《創造》を使い、スキルを作れば可能です。ただし、レベルを上げる必要があります。」
(だよな。まあ、一応宝石類を少し買っておくか…)
レイラとルティは互いに自分の選んだやつを見せ合い、感想を告げている。
俺は俺で、どの宝石を買うか選ぶことにした。
結局、俺が選んだ宝石は赤色、青色、橙色、白色、黒色の5色だ。
その時にルティとレイラも決まったらしく、俺に見せてきた。
だが、なぜかそこには3つのネックレスがあった。
(もしかして、俺用か?)
案の定、一つは俺のためだった。
「私達にも選んでくださったので、私たちからも、選ぼうとおもいまして…迷惑でしたか?」
余計なことだったかと、不安なのだろうか?
レイラは俯いている。
「まさか。嬉しいよ。」
そういうとレイラも顔を上げ、嬉しそうにしている。
誤字脱字がありましたら教えて下さると幸いです。