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ただただ、幸せに…  作者: 緋月夜夏
レビルム公国編
28/117

第27話 武器(2)

間が空いてすみません。

店主は4種類の短剣を持ってきた。

「振ってみろ。」

そう言って店主がレイラに短剣を渡す。

「えっと…2本ですか?」

「違うのか?」

店主は不思議そうにしている。

「短剣は普通2本だ。」

「そう…ですか。」

レイラは少し戸惑っているようなので声をかける。

「レイラは元々1本で使ってたのか?」

「はい。片方だけでした。」

「そうか。」

(2本にさせてみるか?いや、慣れないことをして危険に陥ることもあるか…)

「まぁ、レイラの好きなようにやればいいぞ。俺にはわからないからな。」

「はい…」

レイラは少しの間考えると、

「2本にします。」

「大丈夫か?無理に変えなくていいんだぞ。」

「はい。2本が普通となっているのなら、1本より2本の方が良いということだと思います。それに、2本持っておけば、いざという時に1本でも戦えます。」

「…そうか。」

「はい。」

レイラは店主から短剣を受けとる。

とりあえず振っているという感じだ。

まだ2本に慣れていないからだろう。

「…少し振りにくいです。もう少し軽いのはありますか?」

「待ってろ。」

店主はそう言い残し、奥へ入って行った。


しばらくして、店主が2本の刀身が水色の短剣を持ってきた。

そしてなぜかレイラではなく俺の方を見る。

「?…なんだ?」

「これは、劣化ミスリル製で、値段が高いが、大丈夫か?」

「ああ、それなら値段は問題ない。」

「そうか。」

それを聞き、店主はレイラに短剣を渡す。

レイラはそれを受け取るとすぐに振り始めた。

「これは…振りやすいです。」

「それにするか?」

「ご主人様…よろしいですか?」

「ああ、値段はなんとかなるだろ。」

「申し訳ありません。」

「気にするな。どの道必要なものだからな。」

そして、俺は店主に振り向く。

「そういえば、劣化ミスリルってなんだ?」

「ミスリル製の武器からミスリルを取り出して、別の武器に作り直すと、少し魔力伝達が鈍る。」

「そうか。代金はいくらだ?」

そういうと、店主は訝しげな目を向けてくる。

「お前の武器は?」

「いや、俺は基本魔法を使うからな。武器は使わない。」

「ずっと前から、残っている武器がある。魔法杖の代わりとしても、使えるが…魔力は多いか?」

「どのくらいだ?」

「最低でも3000は欲しい。」

「ああ、それなら大丈夫だ。」

「そうか…待ってろ。」

そう言われ待っていると、店主が戻ってくる。

(…まじか…?)

店主が持ってきたのは白色の鎌だった。

(うわ…)

正直使いたいという気もある。

創作の中ではそう珍しい武器でもない。

だが、実用性という部分では、剣などとは比べものにならないと思う。

「…これだ。」

(おい、あんたでさえ汗かいてるじゃねぇか!)

「これはダンジョンで見つかった武器だ。使える奴はほとんどいない。魔力が多いほど軽くなるらしい。」

はい、テンプレですね。

「ハルバードと鎌を一つにしたような見た目だが、どう使うのかわからん。」

見た目はハルバードの斧の部分を鎌にしたような感じだ。あと、鎌の外側に凹凸がある。

(ソードブレイカー…っていうのか?剣を折るためってところだろうな。…こういう時に《鑑定》を使うのか!《鑑定》)

_________________________

大鎌杖 シャゲアペル


材料:オリハルコン、銀龍の爪

魔力量により、重量が変化する。

全属性の付与が可能。

使用者は即死耐性(絶)を取得。

_________________________

(悪くは…ないのか?そう簡単に即死なんてしたくないからな。というか、オリハルコンって白色なのか?)

オリハルコンというのは、どこかの国の銅などの意味だった気がするが、よく覚えていない。

「使い方がわからないものをすすめるのか?」

「いままで、使える者がいなかったからだ。だが、どうせ武器を、持つつもりがないなら、試してみるのもいいと思うが?」

(まぁ、そうだな。使うかはわからないが、別に今は金に困ってはいないし、買っておくか。)

「ああ、そうだな。それを買おう。ルティとレイラの分も一緒に会計してくれ。」

「ああ。…金貨14枚だな。」

「…安くないか?」

(少なくとも、金貨14枚であの鎌は買えないだろ…)

「あんたの武器は金貨1枚になってるからな。」

「は?」

俺は驚く。

あれが金貨1枚なら、もっと性能が良いものがあるのではないかと。

「あれはずっと放置されてたからな。魔法を使うって奴に使わせようとしたが、誰も使えなかったからな。全然売れないから、安くなってるんだよ。」

「そうか。ありがとう。この鎌を使えるようになるよ。」

「ああ、頑張ってくれ。」

そこで俺は金貨14枚を払う。

「処分できて、よかった。」

(聞こえてるからな…)

「じゃあ、俺達はこれで。」

「ああ…」

店主は何か言いたげにしている気がした。

「なんだ?」

「いや、なんでもない。俺はブラムだ。」

(…名前は今言うことか?)

「俺はタケルだ。じゃあな。」

今度こそ俺達は武器屋を出た。

誤字・脱字がありましたら教えてくださると幸いです


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