第115話 デート報告 リリファ
リリファが帰って来た。今日もお風呂の中で詳しく聞くはず。
(私もあんなに顔赤くしてた?)
鏡で見たはずなのに覚えてない。
(まぁいいや。)
次のデートの後に見ればいい。
私はお風呂に向かった。
「みんなが嬉しそうにしてた理由がわかったよ。」
開口一番にリリファが言った。
照れ隠し?
「それで、スメノスちゃん、これはどうなの?タケルの世界にもある?」
「…半分。」
「えっ…」
「半分は、タケルの世界の、孔雀石。もう半分は、わからない。」
「わからないの?」
「紅目石。だけど、元は別。」
「ん?…ん〜?どういうこと?」
「紅目石は、鉱物が、高温で、変化したもの。」
「えぇ〜…」
リリファが鼻の上まで水面に沈んだ。吐いた息が泡になってる。
「り、リリファさん、気にすることないですよ。」
「そうだぞ。タケル殿からの贈り物には違いない。」
「そうよ。気にすることないわ。」
「でも〜…」
「…面倒。」
「あ〜、スメノスちゃんが言っちゃいけないこと言った〜!」
リリファが私の頬を抓る。
「酷い事を言う口はこの口か〜!自分でも気にしてたのにぃ…」
「…痛い。面倒。」
「2人とも落ち着こうよ。」
ランの言葉でリリファが手を離す。
「千切れるかと、思った。」
「そんなに私馬鹿力じゃないから!?さっきから酷くない!?」
「スメノスさんはリリファさんが気にしないで済むようにわざと怒らしてるんですよ。」
「え?」
「…レイラ。余計。」
「そうだったの?もぉ、スメノスちゃんは〜。」
「…抱きつかないで。」
「そんなこと言って〜。スメノスちゃんは優しいなぁ〜。」
「…別に。」
「照れてるの?可愛い〜。」
「照れてない。早く離す。」
「気にしない気にしない。」
「…面倒。」
リリファの膝の上に座るような形になった。
…別にいいけど。
(そういえば、リリファ、最後?…あの人も、する?)
「スメノスちゃ〜ん。」
「…背中、痛い。離して。」
お腹に回されていた手を外して湯船から出る。そのままお風呂から出て、体を拭く。
(たまには、タケルに、髪、乾かしてもらう。)
乾かしてもらえた。
…満足。