第105話 デート報告 スメノス
約1週間ぶりです。
遅くなって申し訳ありません。
今回の話はレイラ視点です。
ご主人様とスメノスさんは、夕食の少し前に帰ってきました。
朝帰りではなくてよかったです。
もしそうなったら…
明日の私はどうすればいいのでしょう?
仮定の話は置いておきましょう。
ですが、スメノスさんの顔が少し赤いことが気になります。
あのスメノスさんがわかりやすく照れています。
(もしかして、もう恋人に…?)
そんな、私達とのデートもまだなのに?
いえ、もしそうだとしても大丈夫です。
私も恋人にして貰えばいいのです。
そのためには、明日のデートを確実に成功させなければなりません。
必要なのは情報です。
スメノスさんと同じことをしてはご主人様が退屈してしまいます。
今日もスメノスさんとお風呂に入って、そこで聞きましょう。
「それで、タケルとスメノスはどこまでいったの?」
お風呂に入るなり、そう問いかけたのはリリファさんです。
(あれ、何か違和感が…)
「…どこまで?」
「その、手は繋いだのだろうか…?」
ソリビアさんは恥ずかしそうに聞いています。
何でしょう、ソリビアさんがとても幼く見えます。
私よりも年上ですけどね。
「…うん。繋いだ。」
「いいわね。私もそうしたいわ。」
私もルティと同意見です。
「他には何かあったの?」
「…これ、お揃い。」
「あっ…」
そこで私は違和感の正体に気がつきました。
スメノスさんが手に持っているのはペンダントの宝石部分。
「お揃いってことはご主人様も着けているんですか?」
「…うん。首に、掛け合った。」
(((((羨ましい…)))))
スメノスさん以外と心が1つになった気がします。
「いいなぁ、でも、スメノスはその宝石でよかったの?タケルならもっと綺麗なもの買ってくれるんじゃない?」
(そういえば…)
リリファさんの言葉で気がつきました。
スメノスさんの着けているペンダントの宝石は透明なものです。
おそらく透明石でしょう。
別名、無能石とも言われていて宝石の中では高価なものではありません。
「…これが、いい。」
「スメノス殿が選んだのか?理由を教えて頂いてもよろしいだろうか。」
「…これは、たけるの、世界での、名前は、ダイヤモンド。とっても、高価。」
「えっ、ご主人様の世界にもあるものなんですか?」
驚きです。
ご主人様の世界と共通のものがあるんですね。
「?タケル殿の世界?」
「主様の世界?」
ソリビアさんとランさんが首を傾げています。
(あれ?もしかしてご主人様から聞いていないんでしょうか?)
「ご主人様は、ーーー」
(あれ?これって私からお教えてしてもいいんでしょうか?)
「…たける、別の、世界に、住んでた。」
スメノスさんが言ってしまいました。
それを聞いたお二人は驚いていましたが、納得の表情を浮かべていました。
「話は戻るけど、だから、スメノスはそれを選んだの?」
「…それも、ある。」
「ということは、他の理由もあるのね。」
「…うん。たけるの、世界では、花や、石に、意味を、与える。」
(そうなんですか。1つ勉強になりました。
スメノスさんは言葉を続ける。
「ダイヤモンドの、意味は、『変わらぬ愛』」
(えっ…)
「…私は、ずっと、たけるの、そばに、いる。」
(う、羨ましいぃ…)
スメノスさんはご主人様から頂いているんですよね。
私も欲しいです。
「…たけるの、初めての、相手、だから。」
「「「「「えっ!?」」」」
スメノスさんの爆弾発言で、私達は目を見開きました。
スメノスさんから詳しく話を聞くと、キスのことだそうです。
(よかった…)
いえ、当然羨ましいですけどね。
(そういえば、スメノスさんは最初にここに来た時にもご主人様とキスをされていました。)
その時のことを忘れていました。
ご主人様にも聞きたいことがあったのですが…
明日のデートでは頑張って手を繋ぎましょう。
一歩ずつ確実に進んでいきたいです。
そのようなことを考えながら、私は眠りにつきました。