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ただただ、幸せに…  作者: 緋月夜夏
prologue
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第1話 prologue

初投稿です。暇なときにゆっくりかいていくので、投稿はかなり間が空くと思います。時間があって、目についたりしたら、読んでくださると嬉しいです。

 3月になり、冬の寒さが少しずつ和らぎつつある頃。卒業式間近のこの時期においてもいつもとほぼ変わらないHR前の風景が教室にはあった。

 多くの生徒は進学する高校が決まり、一部の生徒は進学せずに就職を選ぶ。残りの学校生活を楽しむように、友人と談笑している姿が多く見られる。俺を除いてだが。


「早く学校終われよ…新刊、買いにいきたいのに…というか、いつもよりうるさいな。もう少し静かにできないのか?もうすぐ卒業だからか?今の時代、学校が別になってもやりとりくらいスマホでできるだろうに…」


と、クラスメイトに対しての不満を呟いていた。


 HRが終わり、席を立つ。


「おい、峯岸!」


 目を向けるといつもの不良だ。髪を金色に染め、何度注意を受けても元に戻すことなくそのままだった。


「これから『俺たちは』ゲーセンに行くんだ。」


(強調する必要あるか?絶対に俺は行かないだろ。)


「だから、俺たちには金が必要なんだ。わかるよな?」

「ゲーセンで遊ぶにはお金が必要だな。」

「で、俺たちには金がないんだ。」

「お金なんて持ってきてない。理由がないから。」


 予防線を張っておく。今までこれで引き下がったことなんてない。お金を持ってきていないというのは、当然嘘だ。ラノベを買うために5千円は持ってきている。


「じゃあ、そういう事で。」


 俺は教室のドアへと向かう。


「おっと、通さねぇぞ。」


 扉の前で立ち、そう言ったのは先程の不良とよく一緒いるやつ。名前は…わからないな不良Bはそのまま退こうとはしない。


「どいてくれるか?」

「通行料を払ったら通してやるよ。」


 気持ち悪い笑みだ。


「お金なんて持ってきてない。」

「お前はいっつもそれだよな?でもな、お前がこの前、放課後に本を買っているところをみたやつがいるんだよ。」


 こんな奴に言ったやつ誰だよ。というかなんで俺のこと見てたんだよ。


「俺たちに嘘をついていたんだな。どうなるかわかってるのか?」

「どうもならないな。したら報告するだけだし。」


 先生でも警察でも問題にして大事にして取り返しがつかなくするだけだ。


「ふざけてんじゃねぇぞ!」


 不良Aが俺の制服を掴んだ。だが、それ以上は何もしないようだった。問題があるとすれば制服が伸びるかくらいだが、大したことにはならないだろう。暇なので周りの様子を見ていると、それは起こった。


「で、春休みに家にきて遊ばないか?どうせ、高校が始まるまでは暇、『きゃーー!!』ん?」


 突然の暗闇に女子たちの悲鳴が響いた。


(更に騒がしくなったな…)


「…いきなり暗くなったな。誰かが電気消して」

「馬鹿か!そんな暗さじゃないだろう!」

「…確かにそうだな。真夜中みたいだ。何も見えない。」

「なんでお前は落ち着いてんだよ!?」

「慌ててもどうにもならないだろう?」

「確かに正論だが…お前すごいな。」

「そんなことより、なにがあったんだ?この暗さは普通じゃ…」

「どうし…なんか…ねむく……」


(あいつら何の演技してるんだ?…あれ…俺も?)


 そうして、卒業式を間近に控えた中学生3年生30名が、地球から姿を消した。


短すぎてすみません。次回からは長くしていきたいと思います。

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